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ねえ。
ねえ、あなたってどんなことが好きだっけ。
ねえ、あなたってどんなときに笑ったっけ。
ねえ、あなたってどんなときに泣いたっけ。
ねえ、あなたってどうしてさみしいときに限って、
はしゃいでみたりするの。
あたしは、目をつぶって暗闇の中で、
あたしは、何度も何度も問いかけてみる。
あたしは、何度も何度も問いかけてみる。
あなたという遠い日の私自身にむかって何度も問いかけてみるんだ。
そうだったんだ。
あたしは、少しずつ薄れていく記憶の向うであなたのことを探している。
あなたのことをまだ探しているんだ。
だってあたしはきっとまだあなたのことが好きだから。




