第一部第4話
お待たせしました。第4話になります。
楽しんでいただけれると嬉しいです。
東京都港区にある高さ180m54階建てのタワーマンション。その一室に稲生慧の父、稲生渉はそこにいた。ここに住んでいるわけではなく渉はここに隠れているのだ。何故隠れているのかというと自分の息子、慧が殺されたその日に電話が掛かってきた。「アナタノムスコハボクガコロシマシタ。ツギハアナタヲコロシマス」電話は変声機を使って声を変えていたので誰かはわからないが、渉にとってはとてつもない恐怖を感じた。息子が殺されたのは渉はさほど気にしていなかった馬鹿な息子で何回もの犯罪をもみ消してきたのは息子のためではなく自分の保身のためだ。逆に言えば息子が死んで清々したぐらいだ。なのにあの電話で自分が狙われている事を知って身の危険を感じた渉は、相原彰吾の父、相原幸蔵に
電話して助けを求めた幸蔵は渉を警護をつけて自分が所有しているマンションの一室にほとぼりが冷めるまで隠れるているように指示された。渉は警護の人間とともにマンションに隠れている事にした。数日たっても何も起こらないので、もしかしたらタチの悪いイタズラかなと楽観的に考えていた時、渉の携帯にメールが届いた。内容はなんと自分のいままで行ってきた悪事が事細かに記録されている。渉は不動産会社の社長であったが、ただの不動産ではない。あまり金に余裕がない学生や、外国からきた労働者などに格安で物件を紹介して契約させるだがその物件に入居したら最後、そこで行われている事は人身売買、拉致、人体実験の被験体になったり、金持ちの欲望のはけ口などに使われていくそして行方不明となる。警官には賄賂を払って見て見ぬ振りさせたとえ捜査になったとしても例えばアパートの住んでいる人間は全員こちらの息のかかった人間だしちゃんと証拠を残さないように専門の業者なども使っているのにまさかここまで知られているとは、渉は急いで自分を警護している梧桐組の若頭、梧桐直剛を自分の部屋に呼んだ。直剛は梧桐組の若頭つまり組のNo.2だった男だ。No.1の組長直剛の父、梧桐宗重郎は警察に逮捕されたために組は消滅し息子の直剛が組を再建しようとしていた。今は資金を得るために傭兵紛いのことも行い昔から親交のあった相原幸蔵に雇われて稲生渉を警護していたその数20人直剛は筋骨隆々髪はオールバック外国で何人かの手下と共に射撃訓練などもしているし実際に人を殺したこともある。直剛は手下2人を連れて渉の話を聞いていた。渉たちが防備を固めていた数時間前。僕は襲撃の準備をしていた。襲撃に使う武器、装備の点検を始める装備の点検が終わったら次は銃の点検。通常分解して部品の不具合がないか点検。問題なかったら部品にオイルをさして組み立てて完了。次は今回の任務に使用する銃のマガジンに弾丸を装填していく。今回持っていくH&KUMP45。その名の通り45口径を撃てるサブマシンガンだこれをメインアームとして持っていく。サブアームにコルトM1911A1これも45口径を撃てる。さてとじゃあマガジンに弾をつめるかなと思ったところで、電話が鳴った。電話に出ると連絡役のイノウエさんからだ「イノウエです。今日の任務の最新情報です。まずターゲットの稲生渉は以前の情報通りマンションの一室にいるのは間違いありません。警護の人間は20人ほど、梧桐組の若頭梧桐直剛が指揮を執っているそうです。」僕はイノウエさんからの話を聞きながらUMPのマガジンに45口径の弾を1発1発詰めていきながら、僕は聞いていく。「何階にいるかは分かるんですか?」「54階にいる事は間違いないそうです。そのフロアの部屋にはすべて護衛の人間が詰めています。あと他の階にも住人がいるようですが、すべて犯罪者ばかりです。巻き添えになったとしても問題ないでしょう」あまり他の階が住人がししゃり出てきても困るなと僕は思った。「こちらからの支援は行き帰りの足とあと狙撃のサポートもあります」「ありがとうございます。では予定通りの時間で開始しますのでよろしくお願いします」イノウエさんは、分かりました。と言って電話を切った。僕はさらにマガジンに弾を詰めていくUMPが終わったので、次はM1911A1のマガジンに弾を詰めていく。1発1発丁寧に優しく詰めていく。雑にやれば装弾不良をやって即ゲームオーバーになってしまう。慎重に慎重に、作業を完了したら確認も怠らない。深夜2時準備を終えて僕はトヨタのハイエースの後部座席に乗っていた。向かっている間に更に新しい情報が入ってくる。それを確認しながら薬を飲む。「着きましたよ」運転手がそう言うと同時に車が停止した。あとで迎えに来ます。と言って運転手は車を発進させた。マンションに着いた僕はそのまま正面玄関に向かっていく。普通なら防犯カメラに映ってすぐ来たのがバレるだろう。だけど僕が入る直前に組織が警備システムをハッキングして偽の映像を流しているはずなので、僕は完全装備でマンションに入る。今の僕は顔をガスマスクで隠しボディアーマーを着けその上にタクティカルベストを着ているタクティカルベストにはナイフと予備弾薬を山ほど装備してある。UMPにはサプレッサー、フォアグリップ、ドットサイトを装着しスリングを通して素早く両手を使える。ピストルベルトにはファーストエイドキット空マガジンなどを入れるダンプポーチ、手榴弾と拳銃の予備マガジンを装備。ピストルベルトと右太ももにレッグホルスターを装備。そこにサブウェポンのM1911を収めてある。肘と膝にプロテクター、拳はオープンフィンガーグローブ、足はコンバットブーツで固めてある。それじゃあエレベーターで上に向かうとしよう。僕はこのままエレベーターで54階に向かっていくしかしこのまま54階に着いて扉を開けたら敵に蜂の巣にされてしまうなので僕はちょっとした仕掛けを仕掛ける事にした。54階エレベーター前そこには稲生渉の護衛が2人ついていた。彼らは1時間毎に交代で襲撃してくるとしたらエレベーターしかないだろうという事でエレベーター前で見張りに立っていた。階段と非常階段もあるが1階からここまで来るとはとても思えない。なのでエレベーターで上がってくる人間に気をつけていればいい。エレベーターの見張り2人はあくびをかみ殺しながら早く交代時間にならないかと思っていたそんな時エレベーターが動いてるこんな深夜に?見張り2人は警戒しながらエレベーターが到着するのを待ち構える。10階、20階、30階、と止まる気配はない下の階の住人かと思ったがエレベーターはどんどん上がってくる。見張り2人は緊張で口の中がカラカラになっていた。40階、48階、エレベーターは止まらない。静かな廊下に見張りどちらかが唾を飲み込む音だけが響く。そしてエレベーターが54階に着いた。見張り2人は手に持っている口径9ミリのサブマシンガンUziのコピー、ノリンコの85式を構えて扉が開くのを待つ。扉が開いて誰かがいればフルオートで9ミリの鉛玉をお見舞いしてやる。そして扉が開いた。けど誰もいない。誰もいないのにエレベーターが動くはずはないはずだ。見張りの1人がエレベーターの中に入って確認しもう1人は扉を抑えて扉が閉まらないようにした。ブブブシュ、くぐもった音がした途端中に入った音が身体から血を噴き出しながら倒れた。上を見上げるとそこに穴が空いていて黒い筒のようなものが出ている。彼がサプレッサーがついた銃口だと気付いた直後彼の意識は途切れた。2人を排除した。僕はエレベーターに降りた。僕がいたのは避難などで使う非常ハッチを破壊して開けてそこに潜んでいた。54階に護衛がいるとは思ったが、やはりいたので2人を上から片付けたこれで護衛は18人。死体をエレベーターに放り込んで、僕はUMPを構えて出来る限り音を立てないように慎重に廊下を進んでいく。部屋は僕の右手側に10部屋並んでいる。僕の無線がなる。援護の狙撃手からだ。大音量をカットしてくれる耳栓の代わりにもなるイヤホンから女性の声が聞こえる。「そちらは順調?」「はい今のところ。そちらからは何が見えますか?」狙撃手は、赤外線暗視機能付のスコープでマンションを監視していた。「こちらから見えるのは1部屋に2人づつ確認できるわ。でも2部屋だけ他と違うわね。エレベーターに1番近い部屋には誰もいないみたい。後、非常階段に1番近い部屋には4人いるみたいね」多分4人いる部屋だなと僕は思った。「分かりました。打ち合わせ通り援護は僕の合図を待ってください。それと標的は・・・」「僕が殺す。でしょ分かっているわ。」「よろしくお願いします」と僕は言って喉元に付いている無線機のスイッチを切った。狙撃手は通信中も監視していた。今は深夜なのでマンションの明かりがついていてもカーテンが閉めてあるので普通は中が見えない。そのために彼女が覗いてるスコープには赤外線暗視機能が付いている。これで覗くと熱を持ってる物体は白く映り、それ以外は黒く映る。狙撃手に見えているのは、黒い画面の中に白い人の形をしたものが蠢いている。通信が終わってすぐ、部屋の中の1人が玄関に向かっている様だ。すぐさま、連絡を取る。「1人部屋から出ようとしてるわ」
「どの部屋ですか?」「真ん中の部屋から」分かりました。と言って僕は部屋のドアの死角に潜んでUMPから手を離しナイフを取り出す。ドクンドクンと僕の心臓の音だけが聞こえるなかドアが開いた。護衛の1人が出てくる。銃は持っていないかなり油断している様だ。男がドアを閉めたと同時に僕は男の背後に回り口を抑えてナイフで頸動脈を切り裂く。喉から大量の血が噴き出す。男は多分何が起きたか理解出来ずに死んでいくだろうこれで3人目。僕は狙撃手に連絡する。「護衛は殺しました。ただいつバレてもおかしくないと思います。いつでも援護出来るようにお願いします」「りょうか〜い」なんとも緊張感がない返事だけどきっとこういう状況に慣れているのだろうもしくは楽しんでる?部屋にいた梧桐直剛は廊下で物音が聞こえた様な気がした。気のせいかもしれないが、用心に越したことはない連れてきた手下の中で1番の腕利きの田中に廊下を見てくる様に言った。僕が目的の部屋の前につき、事前に用意してあった鍵で開錠しようとしていた。チェーンがかかってたらそのときはそのときだなと思っていたところまた無線が「部屋から1人出てくる・・・」その言葉が終わるか終わらないうちに僕の目の前のドアが開く。僕も、護衛もびっくりして一瞬固まった。護衛が何か叫ぼうとして口が開いた。僕は咄嗟にドアに体当たりして護衛を吹き飛ばしUMPを腰だめで撃った。それと同時に無線機に大声で叫ぶ。「援護してください」梧桐直剛は手下の田中が蜂の巣にされるところを見ていた。田中の身体や周辺の壁が穴だらけになって破片や血が散らばる。直剛ともう1人の護衛は口径7.62㎜のアサルトライフルAKのコピーノリンコの81式を構える。襲撃者に向けて引き金を絞ろうとしたときビシッと音がして隣の護衛の消し飛んだ。咄嗟に窓を見るとそこに穴が空いている。咄嗟に窓の死角を捜してそこに陣取り玄関からの襲撃者に対応する事にした。クソが、襲撃者達はプロ中のプロじゃないか。直剛は心の中で悪態をつきながら他の護衛に無線で警告する。狙撃手は、玄関に銃口を向けていた2人のうち1人を狙撃。後頭部に入った弾は皮膚を裂き肉を抉り骨に穴を開け脳味噌をかき回しながら顔面から出て行った。もう1人に狙いを付けようとしたところ死角に入られた。「1人殺ったけど1人死角に入られたわ」「分かりました。他の部屋にいる護衛の排除をお願いします。」だいぶ向こうも焦ってるみたい。無線から銃声も聞こえた。まぁこんな奴らに殺されないでしょうけど。狙撃手は唇を舌で舐めた。狙撃手はゾクゾクしている。毎回狙撃していると興奮が止まらない。口径7.62㎜の狙撃銃ナイツアーマメントM110SASSを伏射で構えスコープに映る護衛を狙撃していく。距離は約150m
ゼロインも済んでいる。狙撃手が引き金を引くたびに赤外線で表示された白い人の形をしたものが倒れていく。今この時彼女は幸福を感じていた。今は心拍数を無理矢理押さえ込んでいるが、この仕事が終わったらいい気分で眠れそう。そんな事を考えながら狙撃していた。さぁ私の幸せのために死んでね。僕は狙撃手の援護を受けながらこっちに向かって来る護衛に対処していた。素早く弾切れになったUMPのマガジンを床に落とし新しいマガジンを叩き込み後退して固定されているコッキングレバーを叩いて前進させ薬室に初弾を送る。その直後次々とドアが開いて護衛達が出てくる。しかし動きがてんで素人だ。ドアから警戒もせず身体を晒している。僕は右手側に構えたUMPを護衛に狙いをつけて引き金を引く。フルオートを3発ずつ指切りバーストして撃っていく。ブブブシュ、ブブブシュと撃つたびに護衛達の身体に穴が開き血が噴き出し床に崩れ落ちる。次のマガジンチェンジをしたときには床に8人の死体が転がっていた。狙撃手からの無線「こちらは8人狙撃したわ。そっちはどう?」「こっちは8人排除しました。さっき排除した3人を入れて11人排除したはずです」「了解。他に生き残りは標的の部屋にいる護衛が1人ね」「分かりました。そちらは、僕がやります。他に生き残りがいないか、監視をお願いします」了解と言って、無線が切れる。僕は穴だらけのドアを蹴破って突入する。直剛はドアを蹴破って入ってくるガスマスクを被った襲撃者に81式を撃つ。僕はUMPを撃ちながら近くの部屋に飛び込む。そこはトイレだったトイレの入口から撃つが、向こうも撃ってくるのでロクに狙いがつかず壁ばかり穴が空いていく。向こうも狙いが付けられないのか、トイレ周辺の壁を抉っていく。ブブブシュとUMPが吠えれば、ドドドドドンと直剛の81式が吠える。お互い相手の命を喰らい尽くそうと銃達が弾丸という牙で喰らい尽く。しかしどちらの牙も相手に届かず短い膠着状態に陥る。僕と直剛はマガジンチェンジをしていた。僕がどう突破するか?と考えていると玄関側から気配を感じた。そちらを入口から身を低くして片目で覗くと85式を腰だめに構えた護衛の1人がいた。その護衛が85式をフルオートでばら撒いてきた。僕は慌てて身を隠す。直剛はマガジンを交換した直後に甲高いフルオートの音が聞こえた。襲撃者かと一瞬思ったが奴の銃はサイレンサーが付いていたはずだ。玄関の方を見ると手下の1人が襲撃者の方に銃撃していた。直剛は自分達の勝利を確信していた。僕はとても困っていた2方向から銃撃され身動きが取れない。狙撃手に無線で連絡したがどちらも死角で狙撃出来ないらしい。僕1人でなんとかするしかないな僕はため息をつきながら考える。一方はアサルトライフル一方はサブマシンガン。ドドドドドン、バラララランと撃ちまくられて銃声と着弾音で頭がおかしくなりそうだ。僕はベルトのポーチを探りM67破片手榴弾を取り出して安全ピンを外す安全レバーはまだ握ったまま僕はタイミングを待つ。僕の右手側のサブマシンガンの銃撃が止んだ。そのときを待っていた僕は左手にUMPを構え右手に手榴弾を持ち躊躇なく飛び出す。左手側に構えたUMPで左側の敵に牽制射撃をして敵を釘付けにし同時に右手の手榴弾の安全レバーを開放して牽制しながらワンサウザンド・ワン!、ワンサウザンド・ツー!と数えてから玄関の敵に向けて下手投げで投げる。そしてすぐ引っ込む。直剛は襲撃者がこちらに銃撃しながら野球の球みたいな物を玄関に投げつけていた。まずい!直剛は物陰に隠れた。直後野球の球が爆発した。バガン‼︎と轟音がして爆風と破片の暴風が玄関から部屋までを破壊していく。僕はトイレの床にうつ伏せになって耐えていた。自分の体に以上が無い事を確認してから部屋の奥にUMPを構えて突入する。玄関の方は大丈夫だろうあるのは肉片だけだろうから。直剛は手榴弾の爆発でキィィィンと耳鳴りしていた。そのとき、目の前にガスマスクを被った襲撃者が銃を構えていた。咄嗟に81式を構えた直後撃たれる。僕はUMPを最後の護衛(恐らく梧桐直剛だろう)に狙いをつけて引き金を絞る直前ズルッと滑った。(狙撃された護衛の血だ)慌てて引き金を引いた。放たれた銃弾は3発。2発は81式に当たり1発は直剛の頰を掠め右耳に穴を開けたが致命傷ではない僕はマズイと思った。「クソがっ」直剛は使い物にならなくなった81式でUMPにおもい切り叩きつける。その一撃でスリングの留め具が壊れてUMPが僕の手を離れる。直剛は81式を捨てて殴りかかってくる。僕は他の武器を抜く暇なく素手の戦いに持ち込まれていた。直剛が右左と殴る僕は直剛の拳を払う。直剛が更に連打。僕は更に払いながらカウンターで拳を顔に叩き込む。直剛は怯まず右の前蹴りを繰り出す。僕の腹部に思い切り直剛の蹴りが突き刺さる。僕は後ろに吹き飛ばされて更に直剛が追撃の為に距離を詰めて来る。直剛の右の膝蹴りを僕は両手でブロックして防ぐが、直剛は僕の両手ごと潰そうと何度も膝蹴りして来るが、僕は防御を固めて反撃の機会をうかがっていた。直剛の膝蹴りをタイミングよく両手で押し返し直剛の姿勢を崩す僕はタックルを仕掛けてテイクダウンを狙うが直剛は肘打ちで僕のタックルを潰す。タックルを潰した直剛は僕の頭を掴んで頭突きゴッと音がして僕の頭に直剛の頭がぶつかる。頭突き2発目僕の頭は後頭部に叩きつけられる。これでとどめとばかりに直剛は勢いをつけて頭突きして来る。このままではヤバイこの状況を抜け出す為に僕は頭突きして来る直剛に向かって僕も頭突きする。打点がずれた直剛の頭突きは大したダメージにならずむしろ直剛の方が驚いて動きが止まった。すかさず僕は相手の後頭部を両手で掴み反撃の頭突きをする。狙うは顔面。1発目、直剛の前歯が折れる。もう1発今度は鼻が潰れて血が噴き出す。とどめの一撃 を顔面に叩き込んだ。直剛は顔中の穴という穴から血を噴き出しながら、仰向けに倒れた。直剛はまだ立ち上がろうとしているのか手足を動かしている。恐らくもう戦えないだろうが、だからといって油断したら死ぬのはこっちだ。僕はナイフを鞘から抜いて逆手に構える。直剛に馬乗りになり動きを封じノドにナイフを突き立てた。稲生渉はベッドで寝ていた時襲撃者と護衛達の銃撃戦が始まった彼は狼狽えながらもベッドの脇に隠れていた。様々な銃撃音やひときわ大きな爆発音が聞こえその後聞こえてきた骨と骨がぶつかる様な鈍い音が聞こえていたといたが不意に音が止んで静かになった。「終わったのか?」渉は確認しようとしても恐怖で動けないその時寝室のドアが開いた。「だ、誰だ直剛か。敵は死んだのか?」そう言って渉がドアの方を見るとそこには全身血塗れのガスマスクを被った人間が立っていた。こいつが、目の前にいるということは・・・ガスマスクの襲撃者がゆっくり近づいて来る。
奴が近づいて来るそれは自分の死が近づいて来るということだ。「待て殺さないでくれ。お願いだ。殺さないでくれ」「駄目です。殺します」襲撃者は淡々と告げてくる。「待ってくれ確かに私は悪い事をした。だから自首する。ちゃんと法の裁きを受けて罪を償う。だから殺さないでくれお願いだ助けてくれ。」渉は涙と鼻水で顔をグチャグチャにして土下座してきた。僕は何も答えずM1911のスライドを引いた。ジャキンという金属音がして薬室に初弾が装填される。「ひっ」と渉は悲鳴を上げてあとずさる。僕は更に近づき、ゆっくりと見せつけるように渉の眉間に狙いをつけ引き金を引いた。数十分後血塗れの僕を見ても顔色一つ変えない運転手の運転する車の中にいた。稲生慧を殺したときとは比べ物にならないほど疲れていた。セーフハウスについた僕を待っていたのはイノウエさんからの電話だった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。面白いところ気になるところありましたら一言でもいいので感想もお願いします。
それではありがとうございました。