第一部第2話
お待たせしました。
これより第2話を開始致します。
どうぞゆっくりとお楽しみください。
時刻は深夜2時、稲生慧は取り巻き3人
と歩いていた。彼はイライラしていた。
俺の親父が裏で関わる風俗に行ったのだが、写真より大したことのない女だったので興醒めだった。
だからシてる最中にさんざん罵ってやったら
泣きながらシていた。それで気が晴れる
訳もなく、取り巻き3人と一緒に通行人でも襲うかということになった。何回もやってるから問題ない。例え捕まってもうちの親父と相原の親父が助けてくれるので、稲生たちは何度も相原彰吾や取り巻き達と犯罪を繰り返していたそういえば稲生はふと思う。うちの親父や相原の親父は何の仕事をしてるのかと、うちの親父は不動産をやってるが結構金持ちだし、まぁ金があるのはいいんだが、何故か警察にも影響力があるし、暴力団とも繋がりがある。まぁ俺は楽しい生活を送ってるから問題ない。「そういえばあいつをボコボコにしたのは楽しかったよな」取り巻きの1人が稲生に話しかける。ボコボコににしたあいつとは1年の時にいじめていた。牧島・・・名前は忘れた。そいつを俺と相原そして今一緒にいる取り巻きの3人壱原、未玖弐、参中、の5人で殴り殺した事を言っているようだ。稲生は言う。「あぁ、あれは楽しかった。あいつ確かもう一人の名前は覚えてない奴をずっとかばってやがってよ。だから殴っていうこと聞かせようとしたら、牧島の奴頑固でな」。さらに続ける。「だからつい殴りすぎてたらいつの間にか死んでたな。あいつ」"ああ、あれは傑作だったな"と3人の取り巻きも笑いながら、同意していた。「そういえば、牧島ともう1人いた奴名前なんだったかな?あいつ1か月前から失踪して行方不明になっていた。自殺でもしたのか?」そんな話をしていると前方にみすぼらしい格好をしたホームレスの男がふらふらと稲生達の前を横切って路地裏に消えていった。いい獲物を見つけたとばかりに彼ら4人は凶悪な笑みを浮かべていた。よしあいつを襲おうと4人は小声で話しながら、獲物を追って、路地裏に向かっていた。自分達が獲物であることも知らずに・・・
稲生達はホームレスの男を追って路地裏に入ると直ぐに獲物を見つけた。ホームレスの男は酔っ払っているのか。ふらふらとした足取りでよろよろと歩いている。どうやら後ろから近づいてくる稲生達には気づいてないらしい。ふと立ち止まるホームレス。何をするのかと思ったら近くの壁に座り込んで眠り込んでしまったようだ。しめたとばかりに稲生達はホームレスを取り囲んでいた。「おい起きろおっさん」「こんなとこで寝てんじゃねーよ」と煽ったり足を小突いたりしてみるんだが全然反応がない。「ナンダこいつ全然反応しねーな」どうしようかと考えていた時、稲生達4人に一斉にゾクっと悪寒が走った。なんだと辺りを探すと自分達が今来た方向に1人の人間が立っていた。その男。おそらく男だろう。なぜおそらくなのかというと、その男は、稲生達と同じ学校の制服を着ているそこまではいいのだが、髪は銀髪の男は顔の表情までは分からなかった。何故ならその男は顔にガスマスクを装着しているからだ。そのガスマスクの男はこちらをじっと見ている。稲生と取り巻き達は蛇に睨まれたカエルのように動けなくなっていた。いつの間にかホームレスもいなくなっていたのだが、稲生達はそれに気づくことも出来なかった。それほどまでにガスマスクの男は不気味な存在感を放っていた。ガスマスクの男は1歩1歩ゆっくりと近づいて来る。稲生達は「来るな」とか「近づくとぶっ殺すぞ」と威嚇しているもののガスマスクの男は全く意に介さず近づいて来る。取り巻き達の1人参中が体格を生かして殴りかかってくる。彼は4人の中で1番体格がいいのでその体格を生かして、右の拳を振りかぶって殴りつける。その一撃は当たれば並の人間なら一撃で殴り殺せるだろう。その拳をガスマスクの男は左手で払いのけて攻撃をかわすと同時に参中の右手を彼の左手側に払うことで左手の動きも封じていた。そのままガスマスクの男は1歩踏み込んで、参中の後頭部を押し下げて首に左ひじを打ち込む。「ぐえ」と一言いうとそのまま受け身も取らず顔から地面に倒れた。うつ伏せに倒れた参中にガスマスクの男は冷静にコンバットブーツを履いた右足で参中の首を踏み潰す。ピクピクと2、3度痙攣して動かなくなった。ガスマスクの男は死体に目もくれず稲生達の方に近づいて来る。1番近い未玖弐が次の標的のようだ。ひょろりとした体格の未玖弐が構える。両手の脇を締め左手は目の高さに、右手は顎の高さに構え
両足は左足を前に出し右足を後ろに下げて右足の踵を上げ体を半身に構える。未玖弐はボクシングを習っていると言っていた。
これならあの不気味なガスマスクの男に勝てるかもしれない。そんなことを思いながらふとガスマスクの男を見ると立ち止まり、両手の脇を締め両手は耳と顎の間ぐらいまで上げていて、両足は左足を前に右足は後ろに下げ踵を上げている。
何かの動画で見たような気がしたが何の格闘技かは分からなかった。2人ともお互い構えてから動かなかった。先に仕掛けたのは未玖弐だ。未玖弐は牽制のジャブを放つ。ガスマスクの男はそれを頭を動かしてかわす未玖弐はさらに拳を振るう。しかしその全てをかわすか払われてしまう。未玖弐の動きを完全に読んだのか隙を突いてガスマスクの男が仕掛ける。オープンフィンガーグローブをはめた拳で未玖弐の顔の急所を打つ素早い左ジャブで目をつぶし重い右ストレートで鼻を潰し右アッパーで顎を砕き脳を揺らしてダメージを与える。棒立ちになった未玖弐に容赦なく右のハイキック。未玖弐の首からグキャ、と何かが潰れたような音がしてそのままビルの壁に吹き飛ぶ。頭から壁にぶつかった未玖弐はそのまま地面に倒れる。頭が肩につくほど首が折れ曲がっている。ガスマスクの男はそのまま壱原に近づくとやめてください殺さないでくださいと命乞いをする壱原の顔と後頭部を無造作に掴むと力任せに右から左に思いきり捻る。ゴギと音がなって頸椎を破壊された壱原の顔が稲生を見ていた。捻られた頭は180度回転していた。壱原の表情は、自分が死んでるとは気づいてないような顔している。その壱原だったものと目が合って稲生はその場で胃の中の物をぶちまけた。全て吐いて顔を上げると目の前にガスマスクの男が立っている。稲生はヒイィと悲鳴を上げながら後ずさり、自分にとっての切り札をカバンから取り出す。それは拳銃だった。確か中国かどこかの銃だったと思うが、詳しい事は知らなかった。この銃はうちの親父と中の良い梧桐組からコッソリ手に入れた銃だ。それをガスマスクの男に突きつける。「これが見えるか?いくらお前がどんなに強くても拳銃には勝てないだろう?」これで絶対絶命から形成逆転したと思った稲生は余裕を取り戻していた。だが、ガスマスクの男は全く動じてないようだった。「これが見えないのか?おい聞いてるのか?」稲生が吼える。そこで初めてガスマスクの男が口を開く。「その銃は中国兵器工業集団のNP-216かな9mm口径の6連発リボルバーそれにあんまりノリンコの銃は好きじゃない」急に語り出した。「何をペチャクチャ喋ってるんだよ。死ねクソ野郎」稲生が引き金を引こうと人差し指に力を入れた瞬間ガスマスクの男が、左手でシリンダーを掴んだ。掴まれたことで、引き金を引けなくなってしまった。「リボルバーはダブルアクションつまりハンマーが起きてないときにシリンダーを固定するとトリガー引けなくなるんだ。次から覚えとくといいよ。次はないけど」そう言って稲生は右手の関節を極めてNP-216をもぎ取った。「俺をそれで殺すのか?」稲生は腰が抜けたのかその場に座りこんで、失禁していた。「大丈夫だよ。この銃じゃ音が出るからこれでは殺さない」そう言ってガスマスクの男は、四つん這いで逃げ出す稲生に背中から近づき稲生の首に左手を入れる左手のひじを稲生の顎の下に合わせて、右手の力こぶに手を添える。Vの字になった腕を締め右手は稲生の後頭部を押す
身体を丸めることも忘れない。これで裸絞めが完成。稲生の首の頸動脈がしまっていき顔がどんどん青ざめていく。稲生は苦しみながら助けて助けてと繰り返す。「助かりたいか?死にたくないか?」ガスマスクの男は問いかける。はい死にたくないと答える稲生。「でも助けないよ。だって、孝が命乞いしてもお前達はやめなかっただろう?だから僕は、お前の命乞いは聞かない。死ね」
「相原達もすぐ後を追わせるから地獄で待ってろ」
そのまま首を締め続ける。だんだん意識が遠くなっていく中で、稲生は思い出す。こいつまさか牧島と一緒にいた奴か?あのオタクがそんなバカな?これ以上稲生は何も考えられなくなった。稲生の意識は完全に闇の中に沈んだ。
2話最後まで読んでいただきありがとうございます楽しんでいただけたでしょうか。
相変わらず下手くそが書く物語ですが。どうぞ物語のラストまでお付き合いいただけると有難いです。後先に書けって言われそうですが、1話読んでくれた人感想くれた人ありがとうございます。とても嬉しかったです。
読んでくれたら是非とも感想をお願い致します。それでは最後まで読んでくれてありがとうございました。