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「はあ・・・」

「お母様~。元気ないね~。」

「そう見えるか?」

「うん。」

食事のとき、妹(麗鈴)が紅蓮に話しかけた。姉(巳麗)も少し心配そうな表情になる。大丈夫だ、と答え、食事を終えたとき、こちらに向かう巫女たちが見えた。

(話し相手になってやるとは言ったが、さすがに今回は・・・しかし・・・)

トントンと、軽く指で机をたたく紅蓮。考えるときのくせだ。が、考える暇もなかった。

「こんにちはー。」

「あいつら飛べたのか・・・・・・」

巫女たちの歩いてくる時間を計算していた紅蓮は、苦笑した。そして。

「後は任せた。」

「ふえ!?ちょ、お母様!?」

・・・娘に丸投げした。そして、自分は即座に逃げ出した。


「というわけで丸投げされたのよね~・・・」

「か、可哀想ですね・・・」

姉妹はまだ自分たちの名前を教えていないため、巫女たちから見たら先ほどの女の子がなぜかここにいるようにしか見えない。それに気づいた巳麗が紹介をする。

「私は乱赤巳麗よ。この子が双子の妹の乱赤麗鈴。」

「え、乱赤って・・・」

「そう。私たちは紅蓮お母様の養子よ。この間あなたたちにヒントを出しに行った後、帰ってきたら屋敷から出ちゃいけないって言う約束を破ったからご飯抜きにされたわ。」

「なんかごめんなさい・・・」

「話が違う方向にずれていってるぞ、おい・・・・」

その話を違う方向にずらすことが姉妹の役目なのだが。しかし、これ以上話をずらすのは難しい。そう考えたのか、紅蓮の言いつけ通りのことを実行した。その言いつけとは。

_____話をずらせなくなったらお前たちの知っていることは教えてもいい。あと。私はあいつのところに行って来る。さすがに来れないだろうから教えてやってもいいぞ_____

「ねえ、何が知りたいの?私たちの知っていることなら教えるけど。」

「えっと・・・紅蓮さんの過去とか・・・?」

「疑問で言われても困るんだけど・・・。まあどっちにしろ知らないわ、あきらめなさい。どうしてもっていうのならお母様のところに行くのね。絶対に行けないけどね。」

「行きたいの!いっつも魅泉元気なのにぼんやりしていて心配だし。」

「別に俺のためにそこまで・・・」

「するの!ちょっと黙ってて!」

いつになく激しい口調の彩弓に言われ、魅泉も黙ってしまった。

「いいのね?お母様のいるところは・・・冥界よ。」

「え!?」

「そこに結構Sな人がいてね、お母様のお友達なの。願砕楼ってところがあって、そこにいるはずよ。」

「わかった行ってきます!」

ものすごい速さで飛び出そうとする彩弓を、麗鈴が引きとめた。

「あそこでは、入った瞬間に初期化爆弾がつけられるの。それはある謎を解かないといけないの。難しいから、特別にヒントを教えてあげる!」

「私が言うわね。」

引き継ぐように巳麗が一呼吸おいて言う。

「______月が消えるまで離さない_______ 」

「ヒントは終わり。がんばってね!」

まるでゲームであるかのような口調で言う麗鈴。彼女にとってはゲームであるのだから当然といえば当然だが。姉妹に見送られて、彩弓たちは紅蓮のいる場所へと向かった。

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