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ヒント

「きゃ・・・」

妖怪たちも間に入り、彩弓を助けようとするが間に合わない。彩弓は硬く目を閉じた。

ガリガリガリ!

何かが破壊される音と共に、闇の住人が消えた。

「・・・自分の力を考えた上で無防備なことはするものよ。」

落ち着いた、少し幼さの残る声が聞こえた。

「お姉様の言う通りだよ!」

こちらは、完璧に幼い声。彩弓はゆっくりと目を開ける。

二人の少女が立っていた。背中の羽は蝙蝠の形をしている。紅蓮と同じ、吸血鬼だろう。目の前の二人は、見た目がそっくりだ。周りには何もなく、すべての闇の住人をこの二人が片付けたようだ。地面が大きくえぐれている。これもこの二人の仕業だろう。

「えっと・・・だれ?」

控えめにたずねる彩弓。

「もう少ししたら、わかると思うよ?」

「そう。今は言えないわね。」

「お前たちは、味方か、敵か?」

蛇の妖怪 (凜蛇)がたずねる。

「それも今は言えないかな~。個人情報はちょっと・・・」

「その言い方は誤解を招くわやめなさい。私たちが小さな子供みたいじゃない。」

姿形は子供である。そこで、何かを思い出したかのようにごそごそと首にかけていたポーチを探る二人のうち、一人。無邪気なほうだ。

「はい、これ!」

なにやら本を取り出した。それを彩弓に手渡す。

「これは・・・?」

「私たちからのヒントだよ!用が済んだから帰るね!」

「一つ忠告させてもらうわ。あなたはこれまでの巫女よりも霊力が高い。邪魔に思って殺しに来るやつもいるでしょう、気をつけなさい。じゃあね。」

飛び立ったかと思うと、ものすごいスピードで飛んでいった。

「そういえば・・・これ・・・」

それに全員が目を移し、覗き込んだ。前に読んだ本と同じような内容が最初のほうから連なり、結局、次のページが最後になってしまった。だが、最後のページには、こう書かれていた。


この事件があったのは、約2435年前。そして、破壊の旋律の本名は、乱赤 紅蓮である。

「・・・・・・うそ・・・・・・」

           ***************


「で、言いつけを破ってまた屋敷を抜け出し、余計なことをしてくれた、と。」

「「うー・・・・」」

ここは紅蓮の屋敷。そこでは先程の吸血鬼姉妹が紅蓮に叱られている。この二人は、紅蓮の養子である。母紅蓮が娘たちに下したのは、

「よし、晩ごはん抜きだ。」

「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

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