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破壊の旋律(巫女視点)

「ねぇ……魅泉、何か知ってるんでしょ?教えてよ、ねぇ……」

あの時から何かを考えていることが多くなった魅泉。巫女……本当の名前は彩弓あみ

彩弓は、ずっと魅泉に聞き続けているが、なにも話してもらえない。ただ、この日はいつもと違った。いつも寝転がって空を見上げているところは同じなのだが、この時は、ぽそりと言葉をもらした。

「……破壊の旋律……」

「え?」

首を傾げ、意味を問い返す彩弓。

「詳しいことは岩龍に聞け。」

「岩龍も知らなかったけど……」

「破壊の旋律って言やぁわかるだろ。」

そして、くるりと背を向けてしまった。


「あのね、聞きたいことがあるの。」

妖怪三人が (魅泉欠席)集まった場所で、彩弓は質問を口にした。

「破壊の旋律って知ってる?」

「「「破壊の旋律!?」」」

全員が素早い反応をした。三人のお付きの妖怪は、破壊の旋律、と聞いた瞬間にバッタリ倒れてしまった。

「え、何!?どうしたの!?」

「そりゃあこうなるよねぇ。」

三人がため息をつく。知らないのは彩弓だけで、彩弓は混乱している。

「破壊の旋律については、本がある。取ってくるから少し待っていろ。」


そして、『破壊の旋律』と書かれた本を開いた。


破壊の旋律。

それは、世界最狂の妖怪。そもそも、妖怪の域を越えており、彼女に敵う妖怪はいなかったという。彼女の持つ能力により、彼女に抗った村、もしくは個人は一夜のうちに滅ぼされてしまったという。

その能力とは。


・自分の祈りを込めた歌を唄うことで、その願いを叶える。規模により唄う曲数が違う。


・自分の作った幻を自分の意志があれば、具現化できる。


彼女の歌は美しく、どうせ死ぬ、と聞き惚れる者も多かったという。だからこそ彼女は破壊の旋律と呼ばれるのだ。そんな彼女も、一度だけ、回復の歌を唄ったことがあったという。そして、その歌を唄ったことが最後に、彼女は姿を消した。なぜ彼女は唐突に暴れだしたのか、その理由はわからない。



はぁ、と大きく息をついた彩弓。ただ、そのせいで近くまで来ていた闇の住人に気がつかなかったのは、完全に彩弓を含めた四人の手落ちとしか言えない。気づいたときには、闇の住人が彩弓に飛び掛かっていた。


「「「彩弓!」」」


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