プロローグ
ありふれたVRMMOものです。少しでも他のものとは違った魅力を出せるように努力していきます。
西暦2469年。昔は夢物語と笑われたに違いないVR技術が実現されて早2世紀半と少し。
既に星の数程発売されたVRMMOに、1つのビッグタイトルが放たれた。
――Aeternitas。ラテン語で“永遠”を意味するそれは、文字通り永遠に遊べるように、という願いを込めて作られた。
開発の発表当初、文字通りに世界は沸いた。それもそのはずこのゲームは、1つの会社が作ったのではなく、世界的に有名なゲーム会社の殆ど、いやすべてが協力しているのだ。
《これが最後にして最高のVRMMO》。開発陣にそう言わしめる程のそれは、完成まで実に18年もの歳月を要した。
満を持して日本に解き放たれたそのゲームは、初日にして1000万本もの売り上げという、ゲームとしては異常な数字を叩き出した。
サーバーの関係でまずは日本のみの発売にとどまり、ゲームをやりたいが為に海外から日本に移住してくる外国人が多数居る程でもあった。
この頃、アニメやゲーム大国として名を馳せていた日本。サブカルチャー……所謂オタク文化は、最早サブと言えない程に成長したのだ。国からの全面支援により、首都東京にAeternitasの為だけの超巨大なサーバーが設置され、日本は大いに盛り上がった。
ステージは世界中。Aeternitasはその余りのボリュームに東京にあるサーバーにゲームのデータ本体を置き、個人の手元に渡るのはセーブデータを作る為のものという形式で発売された。そのセーブデータだけでも200GBを越えると言うのだから、否が応にも期待は膨らんだ。
世界中がステージとは文字通りで、地球の全てをファンタジックにアレンジしたものが舞台となっている。
その広さから、発売から1ヶ月が経過しても、公式サイトに表示されているマップ踏破率は未だに10%を切っていた。
そんな中、1人の少女がこのVRMMO、Aeternitasの地に降り立った。
後に《鏖殺の歌姫》、《吟遊武人》等と言われるプレイヤー《Alice》である。
「これが、ゲームの世界……」
彼女はそう呟いて惚けたような表情をした後、気合いを入れるように頭を振り、始まりへの1歩を踏み出した――。
短くてすみませんプロローグでした。
因みに、「Aeternitas」は《アエテルニタス》とも読みますが、この小説では《エテルニタス》で通します。悪しからず。