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生ぬるい風

作者: 菜の花
掲載日:2026/07/25


柔い肌に触れる

微かに感じた温もりには

気づかないふりをして

そっと離れた


窓の向こうで

もう日は傾き始めていた

空は太陽から僕らを隠すように

雲を連れてくる


風に揺れるカーテン

そうか

窓は少し

開けたままだったか


入ってくる風は

艶やかな肌を撫で

忘れかけていた感触と匂いを

ふっと思い出させてくる


胸の奥が、

ほんの少し、ざわめく


生ぬるい風

弱い風


まるで

あなたの体温のよう

あなたの吐く息のよう


僕よりも先に起きて

窓を開けて

カーテンに纏われて


そうしてこっちを

満足気に見つめるあなたが

そこにいるような気がした


そのまま

生ぬるい風に包まれて

あなたはどこか

遠くへ連れ去られたけれど


僕の胸の奥では

まだあなたが振り返ってくる

ご覧いただきありがとうございました。


あなたはまだそこにいるんだろう。


誰かに届きますように。

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