殺し屋ランク番外:レクター・ヴィンセント
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殺し屋レクター・ヴィンセントにとってこれまでの人生は退屈の連続であった。
どれだけ美味い飯を食い美味い酒を呑んでも。
気まぐれに皮肉を口にしてみたり、意味もなく笑みを浮かべて見ても。
人を殺したり、殺されかけたり。あるいはそれ以上のスリルに身を浸してみても。
本当の意味で心が揺れる事は、今まで無かった。少なくともレクターはそう思っている。
それ以上に自らの人生に語る事などないのだと。そしてきっとこれからもそうなのだと、レクターは確信している。
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俺は昔から人を殺すのは得意だった。初めて人を殺したのは11歳の時。お気に入りのハンバーガーショップに向かう道すがら、チンピラ崩れ共に囲まれエネルギーピストルを突きつけられた時だ。
その時には既に家族は居なかった。みんな揃って蒸発したからだ。
ちなみに蒸発というのは『そういう意味』じゃない。どこぞのサイボーグヤクザが撃った超出力レーザー砲を浴びてじゅわっと蒸発したという意味だ。勘違いしてもらってはとても困る。
なんの話だったか。ああそう、チンピラ崩れ共に囲まれた話だった。
ソイツらから金を出せと言われたが、俺は出したくなかった。だから出さなかった。そうしたらエネルギーピストルを眼の前に突きつけられた。
撃ってくるのかと思ったがそうでも無かった。全員動きが止まったまま数秒が過ぎ。気まずい空気に耐えきれなかった俺は、『よくわからないがこれで終わりなら退いてくれないか? 確かに貴様らのドブもしくは公衆便所じみた臭いの息を耐えず浴び続けるのは勘弁と思っていた頃合いだが、かと言って揃いも揃って詰まった排水管みたいな面白い構造の顔面を黙って見させられ続けると、それはそれでこっちの気も滅入るんだが』と軽いジョークを言ってみたら今度は撃ってきた。理由はよく分からない。
撃たれたのは右肩だった。割と痛かった。舐めてんじゃねぇぞクソガキとかチンピラ共が言っていた気がする。だがその時の俺はそんな事言われても正直困る、とか思いながら、撃たれ焼けた右肩から流れる血をぼんやりと眺めていた。
そんな中、チンピラどもが全員揃って武器を取り出し、明らかに目つきと態度が変わったのを見て。こいつら本当に俺を殺す気なんだな、と理解した。
俺は殺されたくは無かった。だから全員殺し返した。あまりにも簡単に全員殺せてしまったものだから、なにかこう……悪趣味なドッキリ番組かなにかではないかと思った。しかしプラカードを持った陽気でブサイクな三流芸人はいつまで経っても現れなかった。
これがドッキリじゃないと分かり、同時に自分には殺しの才能があるんだと理解した。
そして俺は――――。
『レクター………レクター? レクター・ヴィンセント。おいこらおっさん…………聞いてんのかおっさん。おい。5秒以内に応答が無ければ耳元で大量の蝿が飛び交う効果音を大音量で流す。はい5、4、3――』
タクシーの中でうつらうつらと船を漕ぎ、いつか昔の夢を見ていた俺の意識を、小型ヘッドセットから響く気怠げな少女の声が現実へと引き戻す。
「あ? あぁ……あぁ……? ああ。聞いてる、聞いてるって……だからその入手経路並びに用途不明の効果音は収めてくれ……」
『ハァ……これから仕事なんだけど。わかってるのかおっさん……』
「分かってる……分かってるさオペ子。当然じゃないか……で、なんの話だったか」
『次聞き逃したらヘッドセットから効果音をすっ飛ばして高圧電流を流す。心して聞け』
「え、このヘッドセットそんな機能あるの? 初耳なんだが。至急説明を求む」
オペ子――俺の殺し屋としての仕事をオペレーションしてくれている女、故にオペ子――が、俺の真摯な陳情を無視して説明する。
『今回の標的は飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進しているサイボーグパーツ製造会社――アカハネインダストリーの若社長、アカハネ・カゲトラ。アカハネが苗字、カゲトラが名前』
「ほー……アカハネといったらテレビやニュースでもよく耳にする。大物だな」
『その通り。だけど光あるところに影あり……ってね。アカハネはかつて無いほどに斬新かつ高機能なサイボーグパーツの研究開発を行ってきて、その結果が今の大躍進にある……けどなんというか、ゴシップ雑誌に載ってそうな陳腐な話だけど。その開発の裏ではカゲトラ主導で、そーとーひどい人体実験とかもやってきたみたい。一応その詳細も調べてるけど……聞きたい……?』
オペ子が苦々しい口調で言う。別にそんな事は調べなくても仕事に支障は無いのだが。律儀というかなんというか……。いや、唯の詮索好きだろうか……?
「興味無い。それにそのジンタイジッケンがなんであれ、人殺しとその相棒がどうこう言える義理も無いだろう。結果は同じだしな」
『それは、確かに……。ともかくその人体実験の被害者の遺族が今回の依頼人。出来れば苦しませて殺して欲しいらしいけど、契約には含まれていない……というかウチが断った』
「……そのオプションをこなす約束が出来ない程度には、手を焼く相手だと判断した、という事か」
『ご明察。今おっさんが向かってるのはアカハネインダストリーの本社にして象徴、アカハネタワー』
「あー……あの遠くから見てもギンギラ光ってるアレか」
『ギンギラ光ってるそれ』
タクシーの窓から外を眺める。まだそれなりに距離はあるが、アカハネタワーはギンギラと下品に光を放っていた。
あそこまで派手に光っているのはその圧倒的(仮)な力の誇示の為か、カゲトラの趣味が悪いのか、あるいは殺されやすい様に目立って光ってくれているのか、あるいはその全部か。
何が正解であれ、辿り着く結末はただ一つ。あのタワーはアカハネ・カゲトラの棺桶になる。今夜。俺の手で。
「警備は」
『アカハネお抱えのサイボーグ警備兵がたっぷり。それに最新鋭のセキュリティタレットも馬鹿みたいに配置されてて。後はスパイ映画でよく見るレーザートラップとか……とにかくそれなりに一杯……』
「なるほど……だがそんなセキュリティも、オペレーター兼天才ハッカーのオペ子さんなら?」
『タレットとか諸々のトラップに関しては問題ない。連中、高級な機械さえ置いときゃいいと勘違いしてるらしいね。見た目も派手だし性能もそれなりだけど……ネットセキュリティーがガバガバ。とっくにウチがルートは確保してるから、おっさんが突入する直前に全部起動不能にでもしておくよ。警報も切っとく。大した時間稼ぎにはならないだろうけど……』
「それでいい。流石だ。助かる」
『別におっさんならタレットだのトラップだのが動いてても問題ないでしょ……まあいいや。だけどサイボーグ警備兵に関しては手が回ってない。そもそもハードがネットワークから切り離されているっぽいからこっちからはやりようも無いし……その位はそっちでなんとかしてね』
「了解」
そうこうしている内に目的地が近づいてきた。
『タレットだのトラップだのを無力化したとしても、警備の数は半端ない。通信手段も可能な限り潰すけど、もたもたしてたら他所の援軍が来る可能性も考えられるし。ともかく素早くタワーを突破してカゲトラを殺して。何処から入っても警備の厳重さは変わんないから正面突破で。……っと。監視カメラの映像に寄ると、カゲトラはタワーの最上階に居る』
「高いところから人を見下すのに必死なのか?」
『かもね。ああ、ちなみにカゲトラ自身に大した戦闘能力は無い筈だよ……あれだけ派手に広報活動やらなんやらやっておいて、本人はサイボーグ手術も一切やってないんだって。ちょっと笑える……頂上までのルートはいつもみたいにこっちで案内したり……まあ後はアドリブだよね。伝達事項は以上、後はよしなに』
「承知」
会話が途切れたタイミングに被せる様に、アカハネタワーから程離れた位置でタクシーが停まった。
「この辺りでよろしいでしょうか? レクターさん」
昔なじみのタクシー運転手、タオ爺がにこにこと俺に呼びかける。
「おう。いつもありがとうタオ爺。釣りはとっといてくれ。余った金でハンバーガーでも食べてくれ」
「ありがとうございます……今夜はよく冷えこみます。どうかお気をつけて行ってらっしゃいませ」
「ああ、ありがとう」
俺はタクシーから降りると、ギンギラタワーを見上げる。遠くから見るととても下品に光っている様に見えたが、近くで見るとやっぱり下品だった。ていうか眩しい。光が煩い。近所から苦情は出ていないのだろうか。
「さて……」
俺は右手に構えた殺しの得物――真っ黒な杖をクルクルと振る。すると杖がガチン、と小気味良い金属音と共に変形し、細く鋭い剣に変形する。
そして左手をコートの内側に滑り込ませ、潜ませていた銃を取り出す。
今となってはすっかり世間的にもおなじみとなったエネルギーピストル……その古き良き1丁だ。第一世代とも呼べない初期の初期。ほとんどアンティークだ。
しかし色々試したが結局これに戻ってきてしまう。手に馴染み、カスタム性能が高く、何よりバッテリー効率が良い。大量生産以前の匠の逸品でもあるからしてこれは――これ以上は長くなるから割愛する。
ともかくこの銃はあの時俺の右肩を撃った名も知れぬドチンピラから貰った時から、ずっと俺の相棒だ。もちろんこっちの仕込み杖も。杖の話はまた今度にしよう。
『準備出来た? レクター・ヴィンセント……』
「いつでもいける」
『今日もアンタは人を殺す。そしてウチはその共犯』
「頼りにしてるぞ。終わったら一緒にハンバーガーでも食おう」
『今日はチーズバーガーの気分』
「良いな」
『それじゃ、始めようか』
「ああ。殺しの時間だ」
アカハネタワーの正面ゲートの前には4人のサイボーグ警備兵が立っていた。駆けてくる俺にようやく気づいたのか、こちらに銃を向けてくる。
「おい止まれ!! ここは関係者以外立ち入り禁止――」
「知ってます。失礼します。ありがとうございます」
俺は社会人として正しい礼儀ある挨拶を交わしながら、警備兵4人の脳天をレーザーピストルで次々と撃ち抜いた。
現在のサイボーグ技術は身体の約9割を機械に換装する事が出来るが……未だ脳の代わりになるパーツは完成していない。
つまりどれだけ全身をガチガチに固めていようが、脳天を撃ち抜けば死ぬ。だから撃った。
「よっ」
そのままの勢いでガラス張りの扉を蹴り破り、タワー内部に突入する。
粉々になったガラスを踏みしめながら、辺りを見渡す。警報は鳴らないが、派手な登場に気づいたサイボーグ共が暴れ牛の如く駆け、銃を乱射する。実弾もレーザーも入り混じっためちゃくちゃな弾幕だ。
「危な、危な…………危なっ! おいお前ら。ひとつ教えてやるけどな……人に向けてそんなもの撃っちゃダメなんだぞ」
俺は基本的道徳をサイボーグ警備共に説きながら、弾幕の嵐を掻い潜る。回避に集中しながらも一発、また一発と撃ち返しては、サイボーグ警備共を次々と撃ち殺していく。
「来世では真面目に生きるんだぞ」
「貴様ぁあああああ!!」
「うお、うるさ。深夜だぞ静かにしろ」
ひとしきりサイボーグ共を仕留めたか、というタイミングで一際大柄のサイボーグ警備が更に一際大きい盾を構えながら突っ込んでくる。そのまま盾で俺をぶっ飛ばして壁の間に挟んでミンチにするつもりらしい。
俺はミンチになるのは嫌だった。だから殺し返す事にした。
「オペ子。あの盾斬れるだろうか」
『おっさんなら余裕でしょ』
さっきから若干俺がサイボーグを馬鹿にしているフシがあると感じている諸兄もいる事だろうが、かくいう俺も身体の一部を義体化している。それはずばり右目だ。
なんやかんや悲しい出来事があって右目を失った俺は、スカスカになった右の眼孔にそこそこハイスペックな義眼を仕込んでいる。生の左目と組み合わせても一切遜色なくモノを視ることが出来――なにより義眼を通して見れる映像は、オペ子と共有している。ついでに耳に突っ込んだこれまたそこそこハイスペックなヘッドセットと併せて、オペ子と俺は視覚と聴覚を半ば共有してるという事になる。
「スゥゥゥゥ――――」
俺は剣に変形した杖を低く構え、大盾タックル馬鹿サイボーグを待ち受ける。
「潰れろッ!!」
「今夜はそういう気分じゃない」
大盾が直撃するその直前。俺は跳躍と共に一気に剣を振り抜き。下から上に、大盾ごと巨体を両断した。
崩れ落ちた巨体にはネームプレートが貼ってあり、名前が書いてあった。ノーグ・サティか。
安らかに眠れ。ノーグ・サティ。
よし、黙祷終わり。
「一旦全部片付けた。オペ子、タワー内部の他の様子は?」
『まだおっさんが襲撃した事実が全体には行き渡ってないみたいだね。連絡系統も大体こっちで潰したし、大分パニックになってるよ。警報も警備施設も動かないし……とは言え限度もあるけど……』
「なあ、もしかしてだが……オペ子お前ってものすごく優秀なんじゃないか?」
『そんな分かりきった事を今更……』
たしかにそうなんだが。なんだか改めて俺の相棒はすごいなと思ってしまった。
『あ、ていうかやっぱり随分前の発言撤回。警備タレット、停止だけじゃなくてこっちでほとんど掌握出来そうだよ』
「…………つまり?」
『他の雑魚は大分制圧出来そうって事。最上階の警備施設は動かすまでは無理だけど停止は出来てるし……大分楽できそうだねおっさん。良かったじゃん』
「マジか……チーズバーガー、分厚い奴買ってやるからな」
『うん。それじゃ……最上階まで、ダイジェストで』
「よし」
そんな訳で俺は、全66階あるタワーの最上階まで一気に駆け抜けた。
道中色んなサイボーグ警備が居た。みんな個性的だった。
レーザーブレードのダン。
両腕チェーンソーのクリス。
両目ビームのジェニファー。
下半身キャタピラ上半身ほぼガトリングガンのバレット。
背中に沢山ミサイルランチャーのビビアン。
口に火炎放射器のフィッチャー。以下略。
全員俺を殺そうとしてきた。殺されるのは嫌だったので全員殺した。
すごく熱い闘いだったと思う。
「オペ子、今何階だ」
『65階。そこ上がったらすぐ』
「了解……というか、結局長引いたな。もしかしてどうにかこうにかアカハネ・カゲトラは脱出していたりしないか?」
『いや、居るよ。カメラにも映ってる。脱出用のヘリもパラシュートもパラグライダーもバンジージャンプも全部使用不能にしておいてはいたんだけど……それ以前に逃げる気が無い……様に見える』
「死を受け入れてる?」
『いいや、多分違う……けど、なんだろうこの余裕たっぷりの態度……わからないけど、気をつけておっさん。急にぎっくり腰になっても誰も助けてくれないからね』
「分かってる」
俺はついに66階に到着した。そこは一面が金色に装飾されたフロアで。やたらと高級そうな壺やら絵画やらが飾ってあるが、なんというか、こう……。
「やっぱり品が無いな」
『目が腐りそう。センスゼロ。おっさんの私服の方がマシ』
「俺はいつだってハイセンスだろう……というか引きこもりに服のセンスを問われたくは無い」
『うるさいよおっさん。それでもウチの方がマシだね』
低レベルの争いを繰り広げながらも、俺はこのフロア唯一の部屋に向かう。
「急に静かになったな。下のフロアの連中ほとんど仕留めたとはいえ。ここまであれだけの数のサイボーグ共が居たのに。最上階には一人も居ない。奇妙だ」
『だけどその扉の先にカゲトラは居るよ……間違いなく……んー、こういう気持ち悪い状況の時って、大概よくない事が起こるんだよねぇ……ウチの勘は当たるんだ』
「気が滅入る事を言うな……行くぞ」
俺は扉を蹴り破り、中に突入……しようとしたが。扉が破れず、弾き返された。
「ぐおっ……硬、硬いぞこの扉」
『まじでぇ? ああいや、でも大丈夫。1階のデカブツの大盾サイボーグを両断できたおっさんなら、集中すれば斬れる筈』
「なるほ……」
と、言いかけた所で、黄金の扉の上に設置された黄金のスピーカーから声が聞こえてきた。
『どうもこんばんは……君が噂に聞く侵入者くんかい。どうも。アカハネ・カゲトラです』
「あ、どうもこんばんは。貴様を殺す男です。名乗るほどのものではないです。やっぱ嘘です貴様如きに名乗りたくないだけです」
標的、アカハネ・カゲトラからのご挨拶だ。となればこちらも丁寧に挨拶しなければなるまい。
『そうかい。よろしく侵入者君。そしてありがとう。なんというか君のおかげで……ウチの警備もまだまだだと思い知らされたよ。サイボーグ警備共も何の役にも立ちはしない。所詮凡夫共だったね』
「そうですね。ところで扉開けてくれませんか。貴様を殺しにくいんですけど」
『いやあ、悪いけど出来ない相談だ……それにしても本当に今夜のこれは……不幸な出会いだ。出会い方さえ違えば、僕達は良き友になれたかもしれないのに』
「そうですか。俺は別にそう思ってませんが」
俺は適当に喋りながら、剣を構える。あの大盾野郎の要領で斬れるというなら、もう少し集中すれば――。
『そうかい? ……いや、確かに君の言う通りかもしれないね』
「はあ」
『確かに君の様な醜悪劣悪劣等下劣下品下等下の下の下の下の下の下の下な男が友にならなくたって……ボクには、もう素敵な友達が……居るからね』
「!!」
電流が流れるような錯覚が全身を駆け巡り、俺は弾けるように跳躍した。それは感覚というより、第六感で感じ取った、危機。
しかしその行動は正解で。次の瞬間、俺が立っていたその場所に無数の弾丸とレーザーが撃ち込まれた。
「チィッ…………!!」
俺はどうにか受け身を取りながら着地し、攻撃の主を見やる。
そこには男が立っていた。全身を細く真っ白な義体に換装したサイボーグが。
一目見ただけで分かる異質さ。肌で感じる殺気。言葉を交わさずとも、眼の前の男が俺を殺し得るだけの力を持った強者である事が分かる。
その男の殺気が余りにも強烈なせいで、遅れて気づく異様な光景。白い男の周囲には――ふわふわと、ものスゴイ数のレーザー銃が浮かび。それらの銃口は綺麗に俺の方を向いていた。
『あ、あ、あば、あばばばばば…………あばぁ』
「どうしたオペ子、なにあばあば言っている! あの男を知ってるのか?」
言葉を交わす最中、白い男は次の弾幕を撃っていた。俺は必死に避け、オペ子の言葉を待つ。
『ま、ま、間違いない……アイツは……』
「アイツは!?」
『殺し屋ランク10位…………百銃の王、イテゾラ!!』
「……………………誰だ!?」
いや待て、殺し屋ランク? それってあの、アレだろ。俺もいつの間にか入ってた殺し屋協会のあの、アレ。
「某、義と友の誓いによってカゲトラ殿を御守りする所存。名も知れぬ殺し屋よ、潔く往ね」
「嫌だが?」
殺されるのは嫌だ。なので。
殺し返す事にした。




