表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/25

第十二話 夏休み

「俺はあれがやりたい。いわゆる、振り向いたら顔が無いってやつ」

マモルが言っているのは、お化け大会でのドッキリ企画のことだ。僕らは、子供むけの度胸試しに協力する振りをして、実際には、大人をビビらせると言う企画を進行中なのだ。

「それな。怖いよな。お前が見たのはこーんな顔かいって、振り向いたらそいつも、のっぺらぼうってやつ」

「うわあ、怖そう」サユリはすでに青い顔をしている。

「おいおい。サユリは、お化け役だからな」


 そんな感じで、僕らの計画は決まった。

 お化け大会の最後の子供として、サユリが紛れ込む。同時に、僕とマモルも近くにスタンバイ。

 サユリを脅かそうと、お化け役の大人がサユリに近づく。それまで、顔を伏せていたサユリが顔をあげる。するとそれが、のっぺらボー。

 驚く、お化け役の大人。おそらく走り出すだろう。そこへ、スタッフのふりをして、僕かマモルが節目がちに近づく。

「どうした」

「いや、あの娘の顔が」

「顔か。お前が見たのは、こーんな顔かい」

もちろん、のっぺらボー。


 夏休み。

「やっぱり暑いんだなあ」

道の両側から、アブラゼミの声が降り注ぐなかを、僕ら三人は、歩いていた。額からは汗が吹き出していた。僕は、呟かずにはいられなかった。長野県というところは高原で、もっと涼しいと思っていた。でも、やっぱり、日本全国、夏は暑い。


「いよいよね」サユリが楽しそうに言った。

あれから時はあっという間に流れ、今夜、町内お化け大会は開催される。大人達は、自分達が脅かされるとは夢にも思わず、子供を驚かす準備に忙しそうだ。もちろん、僕らの準備もバッチリだ。密かに、のっぺらボーの覆面や、スタッフに見えそうな上着も隠し持っている。あとは、夕暮れを待つばかりである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ