(2)
明けましておめでとうございます!!
今年もお付き合いいただけたら幸いです!!
「明けましておめでとう!」
「おめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「っす! お願いします!」
男三人で年を越した。来年はデルタ先輩かサギリと越したいサンリである。
とりあえず新年の挨拶を交わし、夜は更けていく。
「……そうだ。明日……いや今日か。今日は昼前までか?」
「あ、はい。その後はコルジ先輩が交代で来るらしいっす」
「へえ、コルジくん来るんだ?」
「そうか……では、仮眠後の朝食に餅を焼こうか? コルジエルのおやつにもなるな」
「いただきます!」
夕飯に続いて朝食までお世話になることになった。シキの世話焼きに頭が上がらない。
「そうだ! 明け方に屋上に行けば、初日の出見られるかもな。俺見ちゃおうかなー」
「元気っすね」
「実はたっぷりお昼寝してた! コルジくんリスペクト!」
「せんでいいですそんなとこ」
「いひひ! ……あれ?」
「ん……? あ」
ダライアウツが何かに気付き、シキも続いた。ふたりとも窓の方を見ている。
「ん?」
つられてサンリも振り返ると、
『明けましておめでとうございます! コルジエルです!』
窓の外に、燦々と輝く光の環を頭上に戴くコルジの姿が。
「あー、ちょっと待って下さいね、はいはい」
ここはシキの一課八班だ。いつもの十二班とは違い、締まっている鳥人用出入り口を開けてやる。サンリのいつものお仕事だ。
「うむ、ありがとう! 明けましておめでとう!」
「はい、おめでとうございます」
「サンリもダライアウツさんもシキさんも、今年もよろしくお願いします!!」
「はい、よろしくっす」
「うん、よろしく〜!」
「こちらこそ、だ。よろしく頼む」
今夜も素敵な笑顔でコルジが部屋に入り込む。まだ当番までは時間があるのだが、既に制服だ。
「先輩、出勤時間間違えました?」
「いや、分かってはいるが、待ちきれなくなった! 早くみんなに明けましておめでとうを言いたかった!」
「はは、なるほどね〜」
ダライアウツもシキも微笑ましく思っているが、サンリはそうはいかない。
「そんなんで当番中眠たくなりません?」
「サンリは仮眠するだろう? いっしょに寝れば大丈夫だ!」
「えぇ……」
ちょっと仮眠室のベッドが狭くなるのは嫌だが、まあ、エンジェリア羽毛布団はかなり温かくて快適なので妥協すべきか……と考えるサンリである。
「コルジエル。朝に餅を焼くが、食べるか? 醤油、バター醤油、あんこを用意できるが」
「わあ! いただきたいです! バター醤油が良いです!」
「分かった」
シキは微笑んで頷く。八班の冷蔵庫には、シキの持ち込んだ食材が色々ある。他の班の当番にも、それぞれの班の冷蔵庫に眠っている食材を分けて貰えるはずだ。餅以外にもなにか食べられるものを作ろう。
「そうそう、コルジくん。折角だから新年の抱負とか聞かせて〜?」
お菓子とジュースを渡しながら、ダライアウツが絡む。
「抱負ですか! 俺、今年はもっとみんなと遊びに行きたいです! 来年も!」
「ははは」
来年の話をするとシキが笑う。
「じゃあ俺とも遊びに行こうねー?」
「俺とも、また色々行こう」
「はい! ……サンリも!」
「あ、はい」
折角一歩引いていたのに、強制的に引きずり込まれたサンリである。
まあ、去年は退屈だけはしない一年だったな、と、若干受け入れ気味でもあるサンリである。
しばらく駄弁った後、サンリはコルジを連れて仮眠室へ。
滅多にない夜更かしで興奮している先輩を寝かし付けて、今年もまた始まるのであった。
なお、起きたらシキの気合が入ったおせち料理的なものに出迎えられるのだが、それはまあ、縁起の良いお話。
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