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第十四話 雪山怪異事件(仮)(1)

「あの館は呪われておる」


 山の麓の老婆はそう言った。


「はい! 浄化してきます!」


 我らがコルジはそう答えた。





「俺ぇ、あちこちに物件持ってるんだけどさ、あ、事故物件」


 ダライアウツ・ダンバー・ダインが一課十二班に駄弁りに来たのは、五日前。来客用のソファで棒の付いたキャンディーを舐めながら、だらりとしている。多少見慣れた光景になってしまったことを、クラウデンもデルタもサンリも残念に思っている。コルジは遊びに来てくれるのを嬉しく思っている。


「一応、買ったときに一通り祓うわけよ、諸々。でもねぇ、場所柄とかの問題で、どんどんまた集まっちゃって、定期的に祓わないといけないとこもあるんだわ」

「なるほど! 集まりやすい場所があるわけですね!」


 同じキャンディーを貰って隣でちろちろ舐めていたコルジが、元気よく反応する。


「そうそう! でさぁ、コルジくん。雪山の山荘に興味ない?」

「雪! 山! 山荘!」

「めっちゃ興味ありそうだね~」


 よしよしと頭を撫でてやって、ダライアウツは続ける。


「山自体も俺のなんだけどさ、眺めはすごくいいし、天然のイイ感じのゲレンデがあってスノースポーツも楽しめるし、雪だるまも作り放題。建物もちゃんとした館って感じで、少し古いけど結構綺麗でデカいし。大きな暖炉があって雰囲気もいい。そして今週末から三連休。ばっちりじゃない?」

「雪だるま!」

「……先輩に行けって言ってるんすよね?」

「サンリくんも行くといいよ〜」

「えぇ……やめてくださいよ、俺は保護者じゃないんですよ」

「サギリくんも呼ぶか!?」

「……」


 もうコルジの中ではサンリが来ることになっていた。


「おや、スキーができるのかい?」


 何故か班長も行く気になっている。いや、当然と言えば当然か。アウトドアが大好きな人だった。


「お祓いはコルジくんが居れば万全でしょ? だったら最高のバカンスだよね」


 タダでプライベートゲレンデと立派な宿泊施設まで使えるなんて、スノースポーツをするなら本当に最高に違いない。ついでに最近キャンプ飯で鍛えているので、なにかしら食事を作るのも楽しそうだ。クラウデンは早速脳内で準備するものを考え始めている。


「そうそう、そうなんだよ! 土地も館も遊ばせとくのは勿体ないから、よければ行ってくれない? 使わないと痛むし」

「ダライアウツさんは来られないんですか?」

「俺は別の物件を祓いに行くんだ……三つほど……」

「不動産も持ちすぎると大変だね」


 それまでにこにこと見守っていたデルタは、綺麗な指を口元に当てて少し考える。


「う~ん……私もご一緒しようかしらぁ」

「え!?」


 サンリは思わず身を乗り出す。


「学生の頃、よくスキーしてたのよねぇ。道具もあるし。スノボも買ってたから、勿体なくて」

「俺! スノボしてみたいです!!」


 サンリも当然ご一緒することになった。


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