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(4)

 サンリはそれから、コルジの両親にも挨拶し(両親はコルジより少し年上程度の外見だった。クラウデンよりは若く見えるが実年齢は多分とんでもない)、「息子はまだまだ幼いので、どうかよろしく頼む」と言われ「もしかしてエンジェリアとしては本当に幼児なんじゃ……?」という恐ろしい予測を立ててしまったり、エンジェリアにトイレは必要ないということがサンリの尊厳が爆発する前にわかったり(使用人たちの住む建物に転がり込ませてもらって事なきを得た。今度来客用にちゃんと建ててくれるらしい)、見たことのないような上等な食事を共にしたり(サンリには豪華すぎて「カトラリーがいくつもあった」という記憶しかない)、いっしょに広大な風呂に入る羽目になってテンションの上がったコルジの盛大な羽ばたきでシャワー要らずの状態になったり、肩まで浸からせて百数えたりと、なかなか忙しく過ごした。はしゃぎすぎだこの野郎、と先輩に思ったりしなくもない。


「あー、楽しい! サンリ、寝るか! おしゃべりしてから!」

「まだ喋ることあるんすか」

「時間がいくらあっても足りない!」


 寝室に案内されると、広いと聞いていたが本当に広いベッドだった。ベッド自体がサンリの部屋よりも広い。寝返り打ち放題だ。


「明日は休みだからいいものの……」

「そうだった! 明日は休みだ! 何をする!?」

「帰ります」

「……庭を案内しよう!」

「おい」


 聞く耳を持たず、ベッドでゴロゴロと移動している先輩である。ひとが遊びにくるのがどれだけ嬉しいのやら。


(まあ、保護種だし、あんまり他の人と接しない環境だよな……)


 来るのも一苦労な居住地である。訪れるものもいない。使用人はいくらかいるようだが、こんなに人が大好きなコルジだ。寂しかったのかもしれない。


(それはそれだけどな!!)


 今までの仕事上のあれこれ、死にかけた今日、その他諸々を思い出すと、ふつふつとこみ上げるものがある。あまり甘えられても困るのだ。大の男……少なくとも大の男の形はしているものに。


「まあ、今日は疲れているだろう。ぐっすり眠れるとっておきを貸してやろう!」

「なんすか。抱き枕とかっすか」

「俺の翼だ!」


 ばふり、と真っ白な大きな翼が体を覆ってきた。暖かくやわらかく、なぜか日向ぼっこをしているようないいにおいがする。


「羽毛布団は確かにいいんですけど、近いからちょっと離れ……」


 文句を言う間に、コルジはすやすやと眠っていた。自分の翼でぐっすりである。


(……はしゃぎ疲れたかぁ)


 仕方のない先輩である。

 とりあえず眠ってくれたならチャンスである。サンリもゆっくり体と心を休めることにしたのであった。


 そして羽毛布団は驚くほど安眠できた。悔しい。


本日もう一話更新します。同時更新。短いのでいっしょにしてもよかったけど区切り的になんとなく。

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