灼熱の世に問う
熱い
熱い 焼ける
熱い
溶ける
あつい
いたい 痛い痛い
あついよ
お父さん
お母さん
熱 い 水を
いたい 痛い痛い
あついよ
お父さん
お母さん
火が来る
誰かここから出して タスケテ
熱 い 水を下さい
ガラスが刺さって
お腹から腸が出てしまった
熱い イタイ
イタイ イタイ
逃げて 坊や
熱い 痛い
どこに 誰か
おかあさん 熱いよ
何で 助けて
誰か 火が
痛いよ 殺してくれ
目が
助けて
誰か誰か誰か
痛い助けて誰か誰か痛いよ苦しいよ
うちのこはどこ 生きてるの返事をして
痛い痛い川は焼かれるのは嫌
誰か 火が
痛いよ 殺してくれ
目が
助けて
熱い
ここから出して
火が 死にたくない
死なせてくれ
逃げろ どこへ
川はどこだ
熱い
皮が邪魔だ
あそこへ逃げれば
背中が
私の顔が
アツイ
水を飲ませて
アツイ
痛い 痛い 痛い 痛い 痛い
一体誰がこんなことを。
何万人もの被害者 市民たちは「軍に協力している。だから『軍関係者』だ」と、非戦闘員と見なされないという「詭弁」で焼かれ、吹き飛ばされ、下敷きになった。
使わなければ終わらなかった。
使わなければ被害は拡大した。
あれは、必要悪だった。
ならば、その犠牲となった一人一人の声を聴け。
そして、この子を抱いてみろ。
上半身が消し炭となり、下半身は生きていた時そのままの、道の端にある、その子を。
抱き上げて「お前は軍関係者だ」と言ってみろ。
核を戦争を肯定する者たちよ。
再びこのような惨禍を起こすのならば、まず自分の子をそこに置いてみるがいい。
そして1人1人に聞いてみるがいい。
「君はここにいたいかい?」と。