理由の価値。
遠くで雷の音。
まだ寒いから、迷彩に深く深く潜る。
遠くで雷の光。
まだ怖いから、祈りに深く深く浸る。
夜に溶けた雨雲、雷の音連れてくる。
どうしたって敵わない。
夜を溶かす雷光、汚れた雨を連れてくる。
どうしたって敵わない。
どうしたって変わらない。
数えてもくれない知らない命。
悲しんでもくれない知らない命。
近づいてくる雷の音。
もう放り出された我らの命。
近づいてくる雷の光。
よく分からない理由で貪られる名もない明日。
遥か遠くで名誉と誇りの価値は決められる。
なんとかたどり着いた朝。
脱色した眺望、白くなった街。
嘘が燃やす希望、叫びが溶けた煙。
灰褐色に汚された街。
遠くで悲しい声が響いてる。
醜く潰された気持ち。
遠くで恐ろしい声が響いてる。
歪んだ額縁、切り取られた世界。
いつか見たような街。
いつか訪れたような空。
いづれたどり着く世界。
遠くで響く雷、近づいてくる。
遠くで響く悲しい声、言い寄ってくる。
なんとか通り越した夜。
ほんの近くで嘘と命の価値は決められた。
もう切り分けられた我ら。
きっと、切り取られるのは私。
歪んだ額縁、煤けた窓枠。
真夜中を一瞬で真昼に変える光よ、届け。
もう放り込まれた我らの命。
手に負えない嘘が溶けた日々に黙祷を。