表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

理由の価値。

作者: 泉末広

遠くで雷の音。

まだ寒いから、迷彩に深く深く潜る。

遠くで雷の光。

まだ怖いから、祈りに深く深く浸る。

夜に溶けた雨雲、雷の音連れてくる。

どうしたって敵わない。

夜を溶かす雷光、汚れた雨を連れてくる。

どうしたって敵わない。

どうしたって変わらない。

数えてもくれない知らない命。

悲しんでもくれない知らない命。

近づいてくる雷の音。

もう放り出された我らの命。

近づいてくる雷の光。

よく分からない理由で貪られる名もない明日。

遥か遠くで名誉と誇りの価値は決められる。

なんとかたどり着いた朝。

脱色した眺望、白くなった街。

嘘が燃やす希望、叫びが溶けた煙。


灰褐色に汚された街。

遠くで悲しい声が響いてる。

醜く潰された気持ち。

遠くで恐ろしい声が響いてる。

歪んだ額縁、切り取られた世界。

いつか見たような街。

いつか訪れたような空。

いづれたどり着く世界。


遠くで響く雷、近づいてくる。

遠くで響く悲しい声、言い寄ってくる。

なんとか通り越した夜。

ほんの近くで嘘と命の価値は決められた。

もう切り分けられた我ら。

きっと、切り取られるのは私。

歪んだ額縁、煤けた窓枠。

真夜中を一瞬で真昼に変える光よ、届け。

もう放り込まれた我らの命。

手に負えない嘘が溶けた日々に黙祷を。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ