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「おはようミーアさん」


「おはようございますトーマ様」


 今日もトーマにとって新鮮で幸せな朝が訪れた。

 一緒に朝食を食べながらトーマは今日の予定について話した。


「今日は船が出る街までの馬車を調べて予約してくるよ。おそらく何回か乗り継ぐことになると思う。その間にミーアさんには荷造りのために部屋の整理をしておいて欲しいんだ。いつ出発するかはまだわからないから日常生活に使わなさそうなものを優先にね」


「わかりました。トーマ様の私物はあまり無いようなのであまり時間はかからないかもしれません」


 そう。トーマは今まであまりにも忙しいのと性格上必要最低限の物しか持っていないのだ。家具などはもとから備え付けてあったためあるものといえば衣服くらいだろう。


「あんまり物欲がなくてねぇ。はは」


 トーマは自嘲気味に笑った後に思いついたかのように切り出した。


「あっ。そういえばミーアさんにお願いがあるんだ」


「はい。なんでしょう?」


「その、様付けで俺のこと呼ぶのを辞めて欲しいんだ。今まで様なんて呼ばれたことが無いから実は呼ばれるたびにムズムズしてたんだ。だからなんかこうトーマさんとか・・・ならないかなぁ」


「トーマさん・・・ですか。かしこまりました。これからはトーマさんとお呼びさせていただきますね。配慮が足りずに申し訳ありませんでした」


 ミーアが申し訳なさそうにトーマに頭を下げる。


「あ、謝ることなんて全然無いんだよ!ただ俺が恥ずかしいというかね。ね?だからこれからはトーマさんでお願いしますっ!えっと。じゃあ馬車の予定を調べてくるからっ」


 トーマは逃げるように家を出ていくのだった。


 それからトーマは馬車の予定を調べに行き荷造りの時間や今借りている部屋の引き渡しを考えて1週間後に出発することを決めた。


 帰ってからミーアに予定を告げ自分も荷物の整理や部屋の解約、旅に必要なものをリストアップし準備を進めていく。


 


 街を出発する日が決まってから数日経ったある日の夕食後。


「トーマさん。あの、聞いておきたいことがあるのですが」


 ミーアが少し頬を赤らめながら決意した表情でトーマに話しかけた。


「ん?なに?」


「そ、そのトーマさんの夜のお相手はいつからしたらよろしいでしょうかっ。私の・・・体調の都合上できない日もありますので・・・。聞いておこうかと思いまして・・・」


「えぇっっっ!?よ、よよよ夜のお相手っ!?」


「は、はい。夜のお相手です」


 トーマはミーアの突然の切り出しに視線を右往左往させどもりながらながら答えた。


「そ、その夜のお相手は、あの、すごい、あの、して欲しいんだけど、あの。まだ早いっていうか俺はあのっ・・・童貞だからっ!!心の準備がっ!あっ!ミーアさんの方が心の準備いるよね・・・ご、ごめん!」


「心の準備ですか・・・私は奴隷になった時から心の準備はできていますのでトーマさんの心の準備ができればお求めください。あの・・・私も初めてですが・・・」


 トーマの動揺っぷりにミーアは逆に冷静になりそう答えるのだった。


「は、はじめて!?はじめては大事にしなきゃだめだよ!?奴隷でも俺の奴隷だから大事にしなきゃだめだ!?」


「トーマさんがそう言うのであれば大事にしたいと思いますが・・・」


「そうっ!大事にしよう!あの、お互いをもっと知ってから!それでも嫌だったら俺は絶対に求めたりしないからっ!これで決まりっ!きょ、今日はもう寝よう!」


 トーマは自分の寝室に逃げ込んでしまった。

 ミーアはトーマが今まで童貞だった理由がなんとなくわかった気がした。

 果たしてトーマの自制心はいつまで持つのだろうか。


 その日の夜トーマは悶々として眠れなかったとか。


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