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シュールだが、妙にリアルな荻上直子の作品

 荻上直子監督作品が好きである。といってもごく最近のことで、「かもめ食堂」「めがね」「恋は五・七・五」「バーバー吉野」の4作品をこの一週間で観た。

 荻上監督の作品はちょっとありそうでない設定が、実は存在するのではと思わせる不思議な説得力がある。

 

「バーバー吉野」では、その街の子供(小学生の男子)はみんな同じ髪型なのだが、そんな街はないだろうと思う。しかしよく考えてみれば、僕の中学校時代、男子はみんな坊主頭だった。当時人口4万人余りだった僕の住んでいる街には、大規模な中学校が2校あった。そしてその2校とも男子はみんな坊主頭だった。つまり、その街の中学生男子はみんな同じ髪型だったのだ! 「バーバー吉野」のチャッチコピーは事実だった・・・・・・


「恋は五・七・五」は関めぐみ主演の俳句甲子園を舞台にした青春映画だ。

 実は僕は甲子園と冠した高校生の大会が好きではない。高校野球の甲子園大会廃止論者でもある。それから文化や芸術に関して順位をつけたり争わせるということも嫌いだ。

 俳句甲子園では詠んだ句に対して、2チームがディベートをするのだが、僕はこのディベートも嫌いだ。(そして僕はゴーヤとピーマンが嫌いだ)俳句や小説など読み手一人ひとりに答えがあると思っているので、ディベートは邪道だと感じる。(もっとも普遍性を獲得した作品はそんなものには無縁だけど)

「恋は五・七・五」にもこのディベートの場面が当然出てくるのだが、荻上監督はここの処理がとても上手い。まだ観ていない人もいるだろうから、ネタばれにもなるので、ここではこれ以上言及しません。


 ところで荻上作品で重要な位置を占めるのが、盟友のもたいまさこである。「恋は五・七・五」では友情出演だったが、他の3作品では主演もしくは主演級の重要な役割を担っている。彼女の、ともかくもう、その異様ともいえる存在感はすごい。日本にもこんな俳優さん(怪優?)が存在したのか! と吃驚である。「かもめ食堂」「めがね」ではこの人が登場すると、その場の空気が変わってしまうほどだ。

 やはり山田洋二には渥美清、荻上直子にはもたいまさこ、そしてカール・マルクスにはフリードリヒ・エンゲルスなのだ!?


 最後に僕の勝手な推測なのだが、荻上監督はかなりの動物好きだと思う。「かもめ食堂」「めがね」「恋は五・七・五」ではその趣味的なところも観ることができて何だか楽しい。動物好きの人は思わず微笑んでしまうカットがあるので、お見逃しなく・・・・・・


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