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他人に薦めたい本 その1「困ってるひと」

 今日はクリスマスイブで四国の山奥でも雪が降っている。いわゆるホワイトクリスマスだが、そんなことはどうでもいいのである。朝起きたらやたら寒く感じた。キッチンの温度計を見ると3℃だった。泣けてくる。年齢を重ねると寒さが疲れに直結するので辛い。身体がギシギシと固まって、まさにブリキ人形状態である。こんなときストレッチとかすればいいのだろうけど、日ごろの運動不足のため急に体を動かすとかえって、その体を痛めてしまうのではと不必要な危惧が働いてしまう。

 

 またまた、そんなことはどうでもいいのだ。

 最近一番面白かった本は、大野更紗さんの「困ってるひと」です。この本はエッセイなのか物語なのか、ちょっとよくわからないのだけど、ともかく笑えます。

 世にも奇妙なな難病にかかってしまった作者の生きるか死ぬかの闘病生活が描かれているのだが、抜群のユーモアセンスと新しく柔軟な感性で、失礼だが大笑いしてしまうことが度々ある。どのくらい面白いのかというと、「罪と罰」(ドストエフスキー作)でソーニャの母がドイツ人の女大家と口げんかをするくらい面白い。(ドストエフスキーってドイツ人か嫌いだったのですね)

 

 作者の言語感覚もすばらしい。

 ・ムーミン谷女子―ど田舎に生息している

 ・フランス女子 ―思い込みでフランス大好き女子になる

 ・ビルマ女子  ―ビルマの人たちを救うべく活動家女子になる。ちなみにミャンマー

          は軍部が勝手につけた名前だそうです。        

 ・難病女子   ―文字通り難病にかかってしまった作者だが、その症状は多岐にわた

          り細かく書くと大変なので、わかりやすく表現するといつもインフ

          ルエンザに罹っているような状態とのこと

 ・おしり女子  ―原因不明でおしり1リットルが流出し、片尻人間に進化した?状態

 とまあ、客観的に見ればとても笑える状況ではないのだが、特異な文章表現で上質な笑いを提供している。

 そして、この本の素晴らしいところは世界に対してもしっかりと目をむけているところだ。現在の日本の社会保障制度をモンスターと呼び、作者がそれに対して戦いを挑んでいるのだが、その戦い方がとてもしなやかでカッコいい。僕自身、1回目は抱腹絶倒しつつこの本を読んだのだが、2回目は「フムフムフム」と大いに作者の考えに共感しながら読んだわけである。

 性格的な問題なのか僕は社会の閉塞状況ばかり目にいくけど、こんな面白い本に出会うと「何かわからないけど、もう少し頑張ろうか?」と単純に思うってしまうのだ!

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