ゴーマンでナルシーな男の独白
俺ははっきり言って神経質だ。
出かけるときは必ず火の元をチェックするし、電気ストーブはコンセントを抜いてあることを目でしっかりと確認しないと安心できない。だから俺はあまり電気ストーブが好きではない。どちらかといえば石油ファンヒーターの方が好みである。なぜかというと石油ファンヒーターの場合だと、温風付近に物を置かなければ、火事になる危険はほとんどないからだ。俺の使っている石油ファンヒーターは3時間経過すると自動的に止まるシステムだが、電気ストーブにはそのシステムがない。ゆえに俺は電気ストーブがあまり好きではない。しかし俺の使っている電気ストーブはかなり古ぼけているので、現在販売されている電気ストーブには一定時間経過すると自動的に停止するシステムがあるかもしれない。そのあたりは電気屋さんに行ってチェックすればいいのだが、そんなことは面倒臭いのでやらない。俺は神経質だが面倒臭がり屋なのだ。
ところで俺の家には、電気ストーブがもう一台あるのだが、こいつはスイッチが壊れていて、パワーボタンを押しても反応しない。コンセントを入れると、パワーオンの状態になり、コンセントを抜くとパワーオフとなる。故障しているのだが、俺は細かいことは気にしない性格なのだ。もっともこの場合は寒いのがダメ! という俺の体質が、故障の電気ストーブを使い続けているその大きな理由でもある。それからこのストーブは買ってからそれほど経っていないのに、故障したのも癪にさわる。保障期間は過ぎているが、せめて10年くらいはちゃんと働いてほしい。おれはお金に関しては意外とセコイのだ。
話はまったく変わるが、今年は暖冬で寒がり屋さんの俺にとっては嬉しい限りであった。寒さに弱い人はだいたい繊細で感性が鋭くて、ハンサムである。なぜかというと俺がそうだからだ。逆に寒さに強い奴は鈍感で鈍くて、厚かましくて、ゴーマンで馬鹿で顔はトドかアザラシのようである。これは太陽が西から出ても変わらない永遠の真実である。
さて寒さに弱い俺はお風呂大好き人間である。半身浴がいいだの、ぬるめのお湯がいいだのと世間ではくだらない情報が流布されているが、お風呂は熱いのがいい! に決まっている。お風呂はあったまるために入るのであって、あったまるには熱いお湯がいいに決まっているのだ。寒がり屋さんは100パーセントそう思っているし、そうしている。そして俺は入浴剤にうるさいのだ。最近ではいろいろな入浴剤があって嬉しい限りだが、俺の子どもの頃は「ムトーハップ」という汗疹予防の臭いものしかなかった。昭和に人間は誰でも知っている入浴剤の定番である。(今もあるのだろうか?)
今は生協さんの入浴剤を使っているが、柑橘系の優しい香りでなかなかよいのだが、俺としては様々な温泉の入浴剤を使いたい。こういう繊細な感性は寒がり屋さんでしかないもので、寒さに強い奴はムトーハップだろうがバブだろうが道後温泉の入浴剤だろうが、何を入れても奴らにはわからないのである。