どうして僕がターゲットに、、、!?
僕は52年間ずっと、モテ期を感じたことが1度もない、、、!
子供の頃から老け顔でチビだし、ちょい小デブだし、、、。
中学生ぐらいから、髪の毛も少しずつ薄くなってきて、、、!
性格は、おっとり系のマイペース型なんだと思うのだけど、、、?
見た目の問題なのか、、、?
女の子にモテたことが事がない、、、!!!
『まあ~それでも大人になれば、ちゃんと好きな人と付き合って、結婚
するモノなんだとずっと思っていた、、、!』
・・・それなのに、52歳になっても恋人どころか、結婚すら出来ないでいる!
*
そんな僕でも、中学生、高校生と同じ女の子をずっと好きだった、、、!
その子の名前が 『大嶺 メイサ』 クラスの中の中心的な存在で、、、。
明るくて、笑顔が似合う女の子だった、、、!
僕はただただ、大嶺さんを遠くから見てただけで、僕の本当の気持ちは
彼女には言えないまま僕の【恋】は儚く終わってしまった、、、。
▽
そんな僕の名前は 『伊川 芳樹』52年間、彼女ナシ付き合った女性もナシ。
だからなのか、、、?
女性の扱い方が分からなくて、泣かしてしまったり嫌われてしまう事が
多々あった、、、!
・・・そんな僕が、まさか!? 『ターゲット』になるなんて、、、!
*
今思えば、、、?
これが、はじまりだったんだと思う、、、。
・・・ある時、僕が1人で街を歩いていると、、、?
一人の女性が僕に話しかけてきた、、、!
『あのう、、、すみません? 伊川 芳樹さんですよね、、、、?』
『・・・あぁ、ははい! そうですけど、、、? 何か僕に、、、?』
『えぇ、私! 伊川さんの事をよく知っているので、、、!』
『・・・・・・どうして? 僕みたいなおじさんの事を、、、?』
『良ければ、伊川さんの連絡先、教えてもらえませんか、、、?』
『・・・どうして? 僕なんですか、、、?』
『・・・あぁ、また、近いうちに会いましょ! じゃ~!』
『ちょっと、待って! なんで、僕なんですか、、、?』
僕に話しかけて来た女の子は、20歳ぐらいの可愛らしい子だった、、、!
まったく僕には、身に覚えのない女の子だったし、、、。
年齢的に考えても、僕が普通に結婚していれば、、、?
子供ぐらいの年の女の子だった、、、。
【でも、どうして? 僕にあの子は声をかけてきたのだろう、、、?】
▼
あれから1週間後、、、。
また違う女の子に、僕は声をかけられる、、、!?
『ひょっとして、、、伊川 芳樹さんですよねぇ~』
『・・・・・・えぇ!? どなたですか?』
『私ですよ! 私、覚えてないですか、、、?』
『・・・・・・いや、覚えてないですけど、、、?』
『じゃ、連絡先教えてください! また連絡しますから、、、?』
『・・・・・・あぁ、以前にも僕に話しかけてきた女の子がいたんだけど?
君の知り合いじゃないよね、、、?』
『・・・・・・えぇ!? 知りませんよ! それよりありがとう!』
『・・・あぁ、ううん。』
『今度、連絡しますね! じゃ、またね芳樹!』
『・・・あぁ、ううん、ま.また!』
次に僕に話けてきた女の子は23.24歳ぐらいのしっかりしている
感じの女の子だった、、、。
でも、前の女の子といいなんで僕なんだ、、、!?
まったく会った事もない女の子2人に1週間の間に2人も、、、?
・・・ひょっとしたら? これが! 『モテ期』なのか、、、!?
あんなに可愛い女の子達に、声をかけられて、連絡先を教えない
わけがないと思って、2人目の子に僕の連絡先を教えてしまった、、、!?
でも1日経ったが、彼女から僕に連絡はない、、、!
▽
そして3日経った日に、、、。
また違う女の子に僕は声をかけられる、、、!?
今度は、学生服を着た女の子だった、、、!
JKの女の子に、僕みたいなオッサンが声をかけられる事なんて1度も
なかった事だ、、、!
『すみません~! すみません~! 伊川さんですよね、、、?』
『・・・えぇ!? また僕に、、、?』
『以前、伊川さんに話しかけてきた女性は私の姉です!』
『・・・・・・えぇ!? 2人とも、、、?』
『えぇ、そうです! 私の名前は、大嶺 凛音です!』
『・・・大嶺って? 僕と同級生のあの大嶺さんの娘さんって事かな、、、?』
『はい! 1番目に伊川さんと会ったお姉ちゃんは次女の美音です、2番目に
伊川さんの連絡先を聞いたのは、長女の詩音です! 私たちは三姉妹で、
母は病気で、今ずっと入院してて! 母から伊川芳樹さんの事はよく聞いていて
凄くシャイな男の子だったって、、、!』
『・・・でも、どうして大嶺さんが僕の話を君たちにしていたのか、、、?』
『母は、伊川さんの事が好きだったらしくて、、、ずっと自分の気持ちを言えな
かったって、後悔しています! だから、どうにかして、、、私たち三姉妹で
伊川さんを探そうってなって、、、! やっと、見つけましたよ!』
『・・・大嶺さんが、僕の事を、、、。』
『母に会ってあげてくれませんか、、、?』
『・・・・・・ははい、』
『あぁ良かった! 母は今ここの病院に入院しています! 是非! お見舞いに
行ってあげてください!』
『・・・・・・本当に僕が行っていいのかな?』
『勿論です! 母も、伊川さんがお見舞いに来てくれたら喜びますよ~!』
『・・・・・・』
*
僕は嬉しい! 『モテ期』のターゲットになったと思って、、、!
少し喜んでいたのだけど、、、?
まさか、、、!?
僕がずっと想い続けていた人の娘さんだったとは、、、?
どおりで可愛い訳だ、、、!
3人とも、違う魅力のある女性だった、、、。
・・・・・・僕は3日考えて4日目に大嶺さんのお見舞いに行く事を決めた、、、!
なかなか? 踏ん切りがつかなかったからだ、、、!
高校を卒業してから1度も会っていないし、、、。
本当に、僕なんか会いに行っていいのものなのか、、、?
ひょっとしたら、、、?
他の人と勘違いしているとか、、、?
本当に、僕なのか、、、?
・・・それでも、確かめるためには直接、大嶺さんに会うしかない、、、!
それに、ずっと入院しているなら、、、?
今、大嶺さんに会っておかないともう会えないかもしれない、、、!
・・・そう考えると、今行く覚悟も決まった!!!
▼
次の日、僕は大嶺さんが入院している病院に行くと、、、。
既に、三姉妹がそこにいた、、、!
『もぉ~遅いよ! もっと早く来てくれると思ってたよ~!』
『いいじゃん! いいじゃん! 来てくれたんだからさ~』
『そうだよ! 伊川さんが来てくれただけでありがたい事だよ~!』
『まあ~そうだね! お母さん、伊川さんが来てくれたよ!』
『・・・伊川さん、』
『じゃ~後は2人で話してね! みんな行こっ!』
『うん! じゃ、母をよろしくお願いします!』
『・・・ははい!』
*
『伊川くん? あら~あんまり変わってないのね、、、! 伊川くん。』
『・・・あぁ、そうかな? 大嶺さんも全然! 変わってないよ!』
『私はほら? 病気になっちゃって! 少し痩せたかな、、、?』
『ううん、でも相変わらず、綺麗だよ! 大嶺さん!』
『あの頃は、まともに話しさえ出来なかったわね!』
『あぁ、若かったからかな、、、?』
『えぇ、・・・伊川くんは結婚は、、、?』
『僕はずっと独身なんだ! ほら? 見た目が悪いからかな、、、?』
『そんな事ないわ~! あの頃と何にも変わってない!』
『大嶺さんは結婚して、女の子が3人もいるんだね!』
『そうなのよ~! 伊川くん、もう私の娘たちには会ったのねぇ~!』
『あぁ! 大嶺さん、旦那さんは、、、?』
『・・・5年前に病気で亡くなったの!』
『・・・そうなんだ! ごめんね変な事聞いちゃったね!』
『ううん、もし私の病気が治ったら、、、? あの子達の【お父さん】に
伊川くんなってくれない、、、?』
『・・・えぇ!?』
『もし願いが叶ったら? 私、病気に打ち勝てそうな気がするから、、、!』
『・・・ううん! 分かった! 僕で良ければ! だから早く病気を治して!』
『うん!』
▽
そして3か月後、、、。
大嶺さんの病気は見事に治った、、、!
僕は毎日、彼女のお見舞いに行くようになり、彼女を励まし続けた、、、!
まさか!?
憧れの大嶺さんと籍も入れて、結婚式も些細なところで家族だけで挙げた!
それに何より、突然! 僕は3姉妹の父親になった、、、!
娘たちからは、僕はヨシちゃんと呼ばれている!
妻からはヨシくん。
僕は大嶺さんと結婚してから【メイサ】と呼ぶようになった、、、!
こんな形で突然! 僕は家族を手に入れた、、、!
なんだか、、、? 不思議で幸せだ、、、!!!
最後までお読みいただきありがとうございます。