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第3話「兄は死んだよ。」
私の兄はキモオタだ。それも極度の。
兄の部屋に入れば、まるで本屋に入った時のように錯覚するぐらい本が置いてある。まあ、全てラノベで、文豪が書いたものは一つもないんだけど。
でも、異世界もののラノベ好きな私からしたら、大切な情報源であるし、たまに本を貸してくれるから悪くは無い。それに頭がいいし、テスト勉強を手伝ってくれる。傍から見たら良いお兄さんだ。
でも彼は決して良いお兄さんでは無い。
妹のありがたみを分かってない。
感謝の言葉一つも言ったことない。
人には表側と裏側がある。
お兄さんの表は真面目で善良だ。
裏は最悪。
私はお兄さんを最悪な人だと思ってた。でも、それでも、お兄さんのために料理とか作ってた。
それは今日を心地よく迎えるためだったのかもしれない。
兄は死んだよ。
交通事故だ。
トラックの死角に入っていて見えなかった。そして、お兄さんは足をすくませてた。
どうしてかな。
血まみれのお兄さんの顔は
少し笑ってた。
ごめん、次異世界w