質問があります!
記念すべき月の音色第200回で読まれました!
大原さやかさんのお声、BGMが合わさると自分で書いたもののはずなのに、新鮮な気持ちになりました。
ここまで続けていただいた奇跡に感謝を。
私にとって誰かに質問をすることは大きな勇気が必要な行為だった。
勉強でわからないことを質問する。
友達のことについて質問をする。
どれも難しく勇気がいる行為で、それができる人は勇者だと思った。
きっと質問に臆病になったのは父の影響があったのだろう。
父は寡黙で、何を質問しても黙っているような人だった。
質問するのが虚しくなり、いつしか私は父に質問をすることをやめた。
答えが返ってこないというのはとても虚しく悲しいからだ。
逆に母はとてもおしゃべり好きな人で、質問をしなくても何でも話す人だった。
今日あったこと、明日のこと、もしものことから話題に事欠かない。
質問を挟む隙間がない人だった。
ある日のこと、母に父がどうやったら質問を答えてくれるか尋ねた。
すると母は、父は手紙なら雄弁だと教えてくれた。
私は最後のチャンスだと思い父へ手紙を書いた。
お父さん。質問があります。
もしよければ私と文通をしませんか?




