96/140
鍋の話
はい。じゃあ、まずは二人が取っ組み合いの喧嘩をした原因を聞かせてもらえる?
お店で殴り合うなんてよっぽどのことだからねー。
はい、じゃあ君から。
なになに──何鍋にするかの話で喧嘩をしたぁ?
ん、ん〜?
え、何それふざけてるの?本官を謀ろうとしてない?
そっちの君も同じ理由で合ってる?
そうなんだ。そんな理由で喧嘩をしたんだ…。
君はキムチ鍋の肉と野菜のガツンとした辛味が好きで、寄せ鍋なんて老人の食べるもんだと主張したと。
んで、君は寄せ鍋の海鮮物の出汁と優しい塩味が好きで、キムチ鍋なんて味音痴が食う食べ物だと主張して喧嘩に発展したと。
…馬鹿なの。ねぇ、君ら馬鹿なの?
いい大人が鍋で喧嘩するなんて恥ずかしいと思わないかな〜。
じゃあ、今回の件は事件性なしということで、これで終わりにするけどちゃんと反省するように。
それじゃあ、最後に本官から君たちに一番美味しい鍋を教えてあげよう。
ママが作ったカレーが一番だよ。




