月SS:夏野菜の扉(2)
リレー小説の2本目です。2本目が私の書いたものになります。
「しまった…どうしよう…!」
私は、目の前の光景を呆然と眺めていた…。
この夏はグリーンカーテンを家の周りに設置していたのだが、とある事情で帰宅できなかった二ヶ月の間に我が家は緑に埋もれてしまっていた…。
「甲子園のようだなぁ…」と他人事のように呟いた私は照りつける太陽に我に返る。
かつて入り口があった場所は瓢箪とゴーヤに厚く阻まれていて、私は汗みどろになりながらもやっとドアを発掘、やれやれシャワーでも…と入った瞬間、廊下の奥に蠢く影が見えた。
「泥棒か?」と目をこらすとウサギのお面をかぶり手にバトンを持った男が立っている。
私が「警察!」とスマホを見た瞬間、奥から『かまえろっ!』と叫びながらバトンを差し出した男がこちらへダッシュしてきた。
不意をつかれ思わずバトンタッチをしてしまった私は『走れーっ!』というウサギ男の勢いに押され走り始めたのだが、その手に握らされたのは緑のバトンではなく青々としたきゅうりだった。
◆
きゅうりを持って全力で走る私。
何がなんだかわからないままグリーンカーテンに覆われたドアを通り抜ける。
すると家の庭先に出るはずだったのに、目の前に広がっているのは青々とした野菜が実っている広大な畑であった。
夢を見ているのだろうか?
わけもわからず走り続ける私の前に、今度は竜のお面をした女がバトンを受け取る体制をとっていた。
『バトンをっ!』と女が叫んだので『は、はい!』ときゅうりのバトンを渡した。
竜のお面の女は、私と同じように全力で走って消えていった。
走り終えてゼーハーと呼吸を整えていると、前の走者のウサギの面の男が現れた。
「ナイスラン!」
パチパチと拍手をしながら私の肩を叩く。
状況のわからない私に男は笑って言う。
「いやー夏野菜豊作祈願リレーお疲れ様でした!」
色々言いたいことはあるがまずは一言。
「なんでウサギのバトンがきゅうりなのよ!」
そこは人参でしょ!と説教をしたら、男は大爆笑をした。
解せぬ。
前回からどうやって繋げたらいいんだよ!?
リレー小説の難しさを知りました。笑




