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月SS:満ちる
毎回思うことがある。
400文字の短編を生み出す作業というのはかくも難しいということだ。
小学生だった頃は400文字の作文を埋める作業は、どうやったらこんなに埋められるのかと苦心したというのに、月の文学館に投稿するようになって毎回のように400文字で収まるわけがないだろ!と自分の構成力のなさに絶望する。
金の掛かっている作家じゃないのだから気楽にやればいい?
馬鹿を言うんじゃない。
趣味で投稿しているものだからこそ手が抜けないのだ!
常連のリスナーに負けぬようネタを苦心して絞り出し、ようやく400文字に収まった短編を朗読されたときは幸せな気持ちで一杯になる。
だからこそ、より面白くなるように制限を超えた文章を削ったり、他の言葉に置き換えたり、句読点をギリギリまで削ったり、さーやが少しでも読みやすいように物語を生み出すのだ。
賢明なリスナーならもう気付いたに違いあるまい。
これは400文字で満ちた短編である。
ラジオ月の音色で読まれました!




