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月SS:月に始まり月に終わる

テーマ「月」のショートショートです。

満月の晩。

二人で月を見上げていると「月が綺麗ですね」と彼が言った。

文学好きな彼が好みそうな言葉だ。

私の胸の鼓動が高鳴ると同時に「ダメよ」と自分に言い聞かす。


こんな関係はいけないとわかっているのに、今までズルズルと引き延ばしてきたのだ。

そんな私の迷いを悟ってか、彼は「困らせちゃったようだね」と遠慮気味に笑った。

本当は、今日この場で彼には「もうお会いすることはできません」と断るつもりだったのに。


何て間が悪い。


いや、もしかしたら、彼は私がそれを言うのを遮りたかったのかもしれない。

口下手な私は何も言えず黙っていると、彼は返事はいつでも構わないと言って、いつものように馴染みのバーで飲み直すことにした。


どうすれば口下手な私でも返事ができるのだろうと悩んでいると、ふとメニューを見て閃いた。

これならば間違いなく彼に伝わる。

私はマスターにカクテル言葉でお断りの意味を持つ「ブルームーン」を注文した。

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