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近所の神社にて
私の近所の神社には学業を司る神様がいる。
名前もそのまま学さんだ。
受験シーズンともなれば、学さんのご利益を授かろうと皆がお参りに来る。
実際にご利益があったかわからないが、ご近所さんは必ずと言っていいほどお参りに来る。
ただ学さん本人はこう言ってる。
「俺なんかにお参りするなんて何を考えているんだ?」
私はいつものように「さぁ?」と答える。
何故か私にだけ見える神様の学さん。
どう見ても胡散臭いおっさんで、学業を司っているように見えない。
学さんは生前遊び人のような生き方をしていたらしい。
何を間違ったのか今では学業の神様として祀られている。
どういうわけか本人にもわかってないらしい。
でも、今では神様なのだからご利益を授けたらどうかと言うと
「馬鹿野郎。勉強は本人の努力が大事なんだ。俺はその努力を一切しなかったから、反面教師ならぬ反面教神ってやつだな!」
私が受験するときは絶対に別の神様にお参りしようと思った。




