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秋を謳う

作者: 武田道子

秋をうた


もう秋を謳うのは疲れた

うたうたびに流す涙はまだ涸れず

瞬きもしない目から流れ出る

私はここで終止符をうちたい


明日になればもう忘れてしまう今日を

謳うのはなぜ

逝ってしまった日々を忘れないために

きらびやかに散り

けれども何もかも同じように朽ちていく


生まれ変わる大地を夢見て

虚空を仰ぐ

無にあこがれる

自分の目で確かめられるものを信じることだけを教わった

人間の思い込みを

いま私は踏みにじる


それでも秋は謳われる

目の前で魔法のように消えていく美しさがゆえに

蜘蛛の巣に連なるいくつもの朝露を

手のひらにとりすするとき

秋は自分の存在を謳歌する


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