-真驍獣の勇侠の道標-
やあやあ皆さん三話目です。タイトルの獣、何だか分かりますか?今回はなんとマニアックなア・バオ・ア・クーさんです!分かるか!何で未だ三話目なのにそんなマニアックな物を!?答えは単純、筆者のお気に入りだから。
でも筆者もわかってはいます。此奴、マニアック過ぎるからなんもなしに行き成り話に入ると「?」となる事位。只でさえ特異な設定の奴なのに元ネタも知らない話をパロディしたよ!って言われても付いて行けないのです、はい。
と言う訳で簡単に紹介おば。先ず此の子は勝利の塔と呼ばれる所に棲んでいて、塔への挑戦者の後に付いて行きます。只始めは透明な此の子ですが、挑戦者が塔を上れば上る程其の姿は輝いて完全な姿を現すとされています。只挑戦者が途中で塔を降りてしまうと断末魔と共に最下層迄転がり落ちてしまう然う。
完全な姿になったら如何するのか分からないですけれど、中々中二心が疼かないですか?
因みに此の作中に出るア・バオ・ア・クーは・・・名前長いな、クーさんは、筆者のイメージ上、ドラゴンとウーパールーパーを足して二で割った様な見た目をしています。可愛いですね。(!?)
では簡単な下処理も完了した所でどうぞ皆さんも挑戦してみませんか?挑戦料は無謀な勇気で十分です。
此処は真驍獣の棲む勝利の塔
人々が己の知恵と力と勇気を試す所。
知恵と力と勇気がある者は勝利を掴むと言う
誰もが目指し、諦めを知る地
其処に足音が鳴り響いた
勝利の塔は目覚めた
眠れる獣、真驍獣も目覚めた
姿が見えない乍らも真驍獣は喜び勇んで来訪者を迎えた
来訪者には其の姿を見る事が出来なかったが、真驍獣は其で十分だったのだ
勝利の塔上り詰めし者、真驍獣の真の姿を垣間見る
塔に刻まれた言葉
其の為、真驍獣自身、己の真の姿を知りたいと思っていた
一度として見た事の無い己の姿を
来訪者は階段を上り始めた
数々の罠、其は来訪者の力と知恵を試した
そして何処迄も続く階段は来訪者の勇気を試した
来訪者が其を一つ超える度に、真驍獣の姿は変貌し、美しく、又雄々しく、気高くなった
遂に来訪者は塔の頂上迄後数歩と言う所迄来た
でも来訪者は暫く考えると、塔を降りようとした
挑戦者の勇気が示されなかった時、真驍獣は其の姿を奪われ、断末魔と共に階下へ落ちてしまう
塔に刻まれた言葉
高ければ高い程、其の苦痛は底知れない物で・・・
真驍獣は直ぐ様、来訪者の行く手を阻み、哮った
何故降りるのか、頂上は近いと言うのに
然う怒鳴り、真驍獣は瞳を光らせた
突然蒼き獣が目の前に現れ、来訪者は驚いたが、落ち着いて答えた
此処迄来るのに、私は何度も死線を潜って来た
其は段々と厳しくなっている
屹度此の先にある罠に私の命は刈り取られてしまうでしょう
己が命を守れないのは勇悍でなく、自惚れです
其が何程の決意がいるか分かりますか
其が私の勇気なのです
抑勇気は試す物ではありません
そんな事をすれば、人々の心は揺らいでしまうので、試す時点で間違っている、と其の来訪者は言いました
成程、と真驍獣は考え込みます
確かに其を勇気と言うのやも知れぬ、と
其の様を見届けた来訪者は階段を降り始めました
其の時、幾本もの矢が壁から放たれ、来訪者を貫いた
油断程、何かを試す内に不要な物は無い
其を見て、又真驍獣は悩む
何が本当の勇気なのか
彼の者は死んだが、其は勇気だったのか、と
ともあれ真驍獣は喜んだ
勇気を示したのか分からない為に、真驍獣の姿は来訪者の前に姿を現した時から変わらなかったのだ
あのみすぼらしい姿でなく、完全な姿となれたのだ
刹那でも真驍獣を唸らせた勇気の為に、何時しか真驍獣は完全なる姿となっていたのである
でも問題は此からである。
又来訪者が来て塔を上れば、そして諦めれば、あの姿に戻ってしまう
でも又来訪者は来るだろう
如何すれば良いか
如何すれば己は己の儘でいられるか
・・・・・
時が経ち、勝利の塔には新たな言葉が刻まれた
真驍獣を倒して資格を手にし、塔を上りて己の勝利を示せ
真驍獣の眠る塔
訪れる者は後を絶たない
しかし、資格を得た者は一人としていない
-Fin-
如何だったでしょうか。クーさんには会えましたか?
今回はマニアックなクーさんに出て頂きましたが、中々愉快な子でしょう?だのに如何して斯う漫画や小説やゲームに出てこないんですか!勝利の塔ですよ!ある意味番獣ですよ!ダンジョンボスにはうってつけじゃあないですか!伝聞が少ないから?姿が見えないから?其処は想像で補おうよ!
まぁ筆者自身、何故か勝利の塔を勇気の塔と間違えていましたから余言えないんだけれどね、テヘッ。
さてさて今回は此の位で。次回はもっと?マニアックな子を出すつもりです。では良い物語を。