表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アネモネデイズ  作者: 田中優希
2/5

1.高校2年の新学期の朝

「やっぱりここは綺麗だなぁ~」

夜の春風が心地よいこの場所に僕はいる。

辺りはすっかり暗くなり夜空が綺麗に見える。

「おい春希。明日から新学期だぞ。さっさと帰って準備するぞ。」

後ろから声が聞こえる。振り向かなくてもわかる。どうせアイツだ。

「僕はもう支度は終わってるよ。出来てないのは琢磨だろ?」

「っんな!?」

琢磨が慌てた表情を見せる。まさか本当にそうなのかよ。

つっこむのも面倒なので会話を次へと繋げる。

「あはは。冗談だよ。わかった。帰ろうか」

「へいへい。」

琢磨と並びながら帰路につく。

そう。明日から新学期。高校2年生生活が始まる。



「春希〜。今日から学校でしょ〜。早く起きないと遅刻するわよ〜。」

午前7時。一階から聞こえる母の声で僕は目が覚めた。

「ふぁ〜。わかった〜。今起きるよ」

眠い目を擦りながらベットから起き上がり、窓のカーテンを勢いよく開ける。

とうに上がりきった朝日が部屋を照らすと同時にまだ光に慣れない僕は目を強くつぶった。

「・・っうわ」

だんだんと慣れ始め、外の景色を眺めると木々が桜色に染め上げられている。

その景色を見て再び確認する

(あぁ。春になったんだなぁ)

ついこの間まで冬だったのに、月日が流れるのは早いものだ。

そんなことを考えていると再び、一階から声が聞こえた。

「春希〜。早くしないと朝ごはん片付けちゃうわよ〜」

なかなか降りてこない僕に母がさらに呼びかける。

「はーい。今行くって!」

早く行かないとな。そう思い早急に部屋から出る。一階に下りれば朝食が用意してあった。

母はゴミを片付けながら僕に言った。

「早く食べちゃてよね。もう」

「はいはい」

返事をして机に並べられた食事に目を落とす。何の変哲もないトーストと目玉焼き。

これが我が家の朝食だ。

(相変わらずいつも通りだな。はは。)

いつもと変わらない家庭に少し笑顔こぼしながら椅子へと腰を掛ける。

「なに笑ってるのよ。早く食べちゃいなさい。今日から新学期でしょ?」

「はいはい。新学期ですよ〜」

今日何度その単語を言うのかと思いながら返事をする。

「それじゃ、いただきます。」

そういって僕は朝食を食べ始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ