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と、言いたいところですが、物語はもう少し続きます。
ユウを生き返すためにすべての力を使ってしまった邪神は、そのままユウの体から出られなくなってしまいました。
「何であんたはいつまでもユウくんの体の中に入るのよ! さっさと出なさいよ!」
『そ、そんなことを言われても、我もこの体から出る方法がわからないのだ。どうやら力を使った時に不具合が生じてな。ここから出られなくなってしまったようだ』
「言い訳はいいわよ! さっさと出るったら出るのよ! そうしないと元の世界にユウくんを連れて帰れないじゃない。男女神様も、邪神を懲らしめたら、元の世界に帰してくれるって言ってたのに」
『そ、そんなことを我に言われても』
「まあまあ、サキさん。私は元の世界に戻れなくても一向に構いませんよ? ここも暮らしてみれば、案外快適ですしね。なかなかスリリングな毎日が送れると思いますよ」
「あたしは普通の日常が送りたいの! 普通の学校生活を送って、普通の恋がして…。と、とにかく! こんな力さっさと返して、あたしは普通の生活に戻りたいの!」
サキの大声で叫びます。
空には得体の知れない巨大な鳥が飛んでいます。
『我の力が戻れば、あるいはこの体から出られるやもしれぬな』
「ほ、ほんとに? それはいつ頃戻るの?」
『なあに、たった百年ほどすれば我の力も戻るだろう。それまではこの窮屈な体で我慢するから、ありがたく思えよ?』
「わあ、そうなんですか。サキさん、後百年ほどすれば元の世界に帰れるそうですよ? 良かったですね」
他人事のように言うユウに、サキは何も言えませんでした。
みるみるサキの顔が真っ赤になっていきます。
「何悠長なこと言ってんのよ! あたしは今すぐ元の世界に帰りたいの! 百年後なんて待ってられないわよ!」
涙目になりながら訴えるサキの声は、誰にも届きませんでした。
かくしてサキの力で無理矢理箱庭世界から脱出し、邪神をユウの体から出す方法を探すため、三人(?)は旅に出ることになるのです。
果たしてサキとユウは元の世界に戻ることが出来るのでしょうか?
それはまた次回で語るといたします。