青いペンの注意書
昨日の生放送はなんとか無事に終わった。
ホントに築哉さんは私をいらっとさせることが上手い。
いらっとしたのを見せないようにしていたらいつのまにか収録は終わっていた。
隼人さんにもよかったといってもらった。
だからと言って
「なんで今日曲をとるんですか?」
「曲自体はとらないよ。もうとってるし。でも聖司だけ撮影するって決まる前に曲とってたから撮影だけ別の日ってなってたの。」
ただの撮影だから、ブースのなかでちょっと歌ってもらってその様子を撮影するってこと。
そう続いたがなんか納得がいかない。
しかも、撮影するだけといっていたがなぜか作曲家とプロデューサーがいる。
「一応ね。ここで曲作りするってなってたから呼んじゃった。」
「いやいや意味わからない。さすがに歌声までは真似できないよ。」
「写真には出てこないし、あの人達はもう感づいてるからおかしくても黙っててくれるよ。」
「大丈夫じゃないじゃん!」
なんとも信頼できないがブースにはいってさっき聞いた曲を歌う。
聞いたことのない歌だけど楽譜も昨日もらって見たし、兄にもアドバイスはもらった。
あんまりひどいことにはならないと思う。
歌詞には兄が青ペンで注意書を大量に書き込んでくれた。
お守りのようにこれがあればなんとかなる。
大丈夫ではないかもしれないけど、きっとなんとかなる。
「じゃあ、Aメロからいこうか。」
撮影が始まった。