体力も低下!?
まいった。これはまいった。
俺は意味も分からず異世界に飛ばされたものの、
俺の回復魔法の治癒能力が発覚し、魔法の特訓をした。
その後攻撃魔法の能力も高い、という事が分かった。
しかし魔力が足りないらしく自然回復を待っていた。
そこまでは良かったんだ
俺は魔法が使いたいがあまり魔力増強剤という怪しい薬を服用した。
それを飲んだらたちまち魔力は減って行き、自然回復にはとてつもない程の時間がかかるらしい。
薬を飲ませた犯人はクリムトという組織に属し、未だ正体不明。
その上犯人は王族のアルカナアダムと、アルカナレイラを誘拐。
実にまいった。
そんな俺は今セレスト、ペプラと会議中だ。
「あのーセレストさん、ペプラさん以外に誰か協力できそうな方はいないのでしょうか?」
「アダムもレイラも誘拐された今誰がいるというのだ」
「いや……ルキアさんとか……」
「ルキアさんは今盗賊処理の隊長をこなしております」
「盗賊処理、ですか?」
「盗賊処理というのは今多発している事件の解明です。
今この国に攻めて来る盗賊の数が莫大な量にまで増えています。
兵士の数は全世界でも最大級の量ですので国内への侵入は何とか凌いでいるのですがその盗賊がまた問題でして、
……………」
ここでペプラが口を挟む
「セレスト、もうやめなさい。こちらの問題だ。
盗賊の話よりも魔力の方が先決だ」
「もしかしたらその盗賊がクリムトと関係があるかもしれないのにですか?」
「なに!?本当なのか!」
「はい、その可能性も充分あります。
さっきの話の続きになりますが、その盗賊は捕まえたとしても全く口を開こうとはしません。
これはまずクリムトに関係しているため情報を漏らしたくない、という事でしょう。」
「…………………………」
「次に盗賊が牢屋に入れても何故か消える、という事です。
これはこの間の偽アダム達の召喚魔法を使った恐れがあります。
召喚魔法は魔物を召喚する、という用途の他に、人や物資を召喚する能力もある可能性があります。
それで盗賊達に鍵を召喚させたら……分かりますよね。」
「盗賊は逃げのプロです。鍵を渡したら最後なのです。
まあ、あくまで予想ですが」
「セレスト、どうすればいいんだ……」
「しかしクリムトの本拠地に行くのは無謀です。魔物もうろついているので現地に行く前に確実に死にます。
まずはラギア様の言っていた居酒屋があるかを確かめましょう」
「いや、時空魔法を使ったのだからもう消えているんじゃ……」
「もしかしたらレイラ、アダムが偽アダム達を時空魔法で閉じ込めた、なんて可能性もある」
「セレストさんってこんな状況なのに頭が回るって凄いですよね。
もう俺混乱しちゃって……」
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意識を失っていたのか?
それさえも忘れている。上に見える天井は家とは違い、
白いタイルが敷き詰められていた。
病院か……
「ラギア様、ラギア様!」
「うぅぅ」
「やっと目を覚ましましたか。セレストです。
ああ、目は閉じたままで結構です。
ラギア様は過労と貧血で1日ここで寝ていたのですよ。
ペプラ様と交代で見ていました。
無理もないです。別世界に私達により勝手に飛ばされた上に、
事件も併発。これで倒れない方がおかしいですよね」
「は、はい……」
「名目上は入院ですが、家で安静にしていればいいので、それでは…………
あ、何か進展がありましたら、連絡……は無理なのでどうしましょうか?」
「ああ、家に来てもらっていいですよ」
「そうですか。伝えておきます。
ではお大事に」
体がだるいな……今日、明日は病院にいるかな……