表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で薬局始めました。  作者: 特殊機能搭載型エアコン
第一章……魔力奪還編 其の①
6/25

居酒屋の秘密

 城からの帰り道…………


 よしっ魔力を磨く、とかいうのやってみるか。

 やっぱり百聞は一見に如かずって言うし。


……ザイックス・エラストート……

……ザイックス・エラストート……

……ザイックス・エラストート……

……ザイックス・エラストート……


 そういやあペプラは俺に攻撃魔法の能力もあると言ってたよな……

 回復魔法だけじゃなくて攻撃魔法の練習もした方がいいんじゃないか?

 後ペプラの“アナライズアビリティ”って回復魔法でも攻撃魔法でもない。何だろう?


 なんか全然分からないな……ペプラは何か隠してそうだし。


 ポケットに手を突っ込んで歩いているとふと手に引っ掛かる紙の様な物があった。

 くしゃくしゃになった紙を広げると、地図があった。


 ああ、さっきペプラが言ってた困った時の場所だな。

 すっかり忘れてた。

 地図に示されている場所は今いた場所から家に向かって数十メートル離れたとても近い場所だった。


 少し歩いて目的地に着いてもその家と思われる場所は無かった。

 店なのかなぁ

 そう思い付近の店に入って場所を聞いた。


「この地図の場所を探しているのですが……」


「おいおい、それはここだよ。ここは居酒屋だ。君の来るような場所では無いよ。

しかも一人で。ハハハッ」


「ええっ王様が書いた地図だったのに……」


「ぺ、ペプラが書いたのか!? じゃあ君はラギア様?」


「そ、そうですが」


「どうぞお入り下さい。レイラ、という者がお待ちしていますので付いて来て下さい」


「レイラさん、ですね」

どうやら女性みたいだ。そういえばこの世界でまともに女性と話したことって無いな……


 居酒屋は日本などと似ていて個室の部屋もあれば大きなテーブル席もあった。

 しかしこの男が向かっていたのはそのどちらでもなく、トイレ(?)だった……

 もちろんトイレの何処かにレイラさんがいるわけでもなく、トイレの個室の一つの鍵が閉まっている部屋を専用の鍵で開けた。部屋の中にはもう一つ扉があり、そこの鍵も開けるようだ。

 鍵を開ける前に男は話した。


「そうそう、俺の名前はアルカナ・アダム。ルキアの兄だ。

ルキアは口が悪くてな、ラギアさんの事も呼び捨てだったりするから、困ったら俺や今から会うレイラに言って下さいな」


「ああ、よろしくお願いします。

それにしても隠し部屋がトイレだなんて……」


「おや?勘違いをされているようですが、ここがトイレなんて一言も言ってませんよ?

ここは隠し部屋専用に私がトイレに見立てて魔法で作った部屋です」


「ええっアダムさんも魔法が……」


「これも言い忘れていましたが、王族ですので私も魔法が使えます。

私は“トリックアビリティ”という何もないところに魔力を持った人にしか見えない

物を作ったり出来るという魔法なんですよ。もしも魔力のある人がそこを見つけてもトイレにしか見えないので

普通に帰ってしまう、という訳です」


「……分かりましたでは行ってきます」


「行ってらっしゃい」

 俺は隠し部屋のドアを開け、中へと入って行った。

 トイレの様な部屋から一変とてもダークな部屋へとなった。

 暗くて怖い感じだが、足を踏み進めて行く。


「……あっラギアさん……」

 一気に冷や汗がバケツをひっくり返したように出てくる。

 声は後ろからだったのでゆっくりと後ろを振り向くと、少し古くなった椅子に黒髪の女性が座っていた。


「こっこここここんにちは」

 何!? この緊張感は!? 異世界初の女性だから?

 ニワトリみたいなんだけど……


「私がレイラよ。アルカナ・レイラ。ルキア達三人兄弟の末っ子」


「すっすみません緊張しまして……」


「いえいえ、私も緊張してしまいました。いつもはこうじゃないんだけど……」


「あのー冷静になって思ったのですが、なんでレイラさん後ろに現れたんでしょうか。

まさかまた魔法ですか……」


「あら、よく知ってるわね。私は“タイムアンドスペースアビリティ”ネーミングは長いけど……

まあ、簡単に言えば時空を操る魔法ってとこかな。今いたトイレ見たいな所からここまではまさに

時空をまたいだって事なの。この暗〜い部屋は私が創り出した、言わば魔法の世界なの。創ったのは私だから、

全てが私の思うがままに動くって訳。今は小さな空間だけど、大きくすることも可能なの。

魔力があればの話だけど。」


「そうなんですか。

あ、本題に戻りますが、私がこの世界に慣れて魔力が増えるまで、どう魔力を補えばいいでしょうかね?」


「………………」


「あっやっぱり難しいですかね。慣れるまで待てますし……」


「これを飲んだら?」

彼女が差し出した薬の様な物は、不気味なオーラを醸し出していた……


「これは……」


「これは魔力増強剤よ。その名の通り魔力が少しばかりかアップするの。

ペプラが昔友達に貰ったらしいんだけど、そこまでたくさんあるものじゃないらしいから……まあ、今回は特別にあ・げ・る!」


「あ、ありがとうございます!」


「あ、もう9時を回ったわ。帰った方がいいですわ」

 こうして家に今日は帰った。



 今日は城なり別の時空なり色々行ったが、とりあえずは魔力増強剤を守り抜くことが出来た。



「……………飲むか……………」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ