第6話 勇者出陣する?
「さてと、仕方ないので、ダンジョンの階層レベルを上げたいと思います。派遣部隊ですね」
「そうですねー勇者様が出陣なさるので?」
「仕方ないだろ、最下層より上の攻略も考えないと、そろそろ最下層モンスターでは満足できなくなってきたんだろ?」
「ええ、エンシェントドラゴンや、魔人王とか破壊神ゴッサムとか、おりましたわ」
「名前からしてやべえええええ」
「このダンジョン上に上がる程強くなる訳ではなく弱くなるはずなんですが、残念な事に倒しすぎて、ダンジョン改変が行われたようで、上に行くほど強くなるようですわ」
「これも女神フレイヤ様のおかげだな」
「そうですわね」
「これで、地上に出るのも難しいな」
「そうですわね」
「もう、ここで王国造って暮らしていこうか」
「あなたが1人で暮らすんですか?」
「お前等がいるだろうがよ」
「そうですねー悲しいですねーでも女性2人に囲まれてハーレムですわね」
「そうだな、男の夢だ」
「さてと、扉を開くぞ、レベル1000の強さって奴をモンスター共に見せてやるぞ」
「私感動していますわ、あなた様がようやくレベル上げられるなんて」
「なんて?」
「これで、ひも生活から脱却してください」
「ひも生活も悪くはない」
「こちらが疲れますわ」
「がんばれー」
「お前も行くんだよ人魚姫マミン!」
「えーワタクシは遠慮したくないでございますわ」
「なら来い、ちなみにお前のレベルは」
「12000ですね」
「俺だけ仲間はずれえええええ」
勇者ラヴィのレベルは1000、配下2名はレベル12倍であった。
扉を開くと。
そこに広がっていたのは修羅。
マグマのような大地かと思えば氷のような大地かと思えば森のような大地かと思えば。
「ここはパンデミックかあああああ」
「これが、ハゲスダンジョンの怖さですわね」
「お前よく無事だったな」
「そりゃーもう楽勝ですわね、あと上に上がると、レベル帯が3000以上ですから、ここでレベルを上げましょうか」
「うむ、どうやってレベリングをすべきかね」
「良い提案があるのですが」
「ふむ」
「餌で釣って、魔剣で殺してください」
「餌とは?」
現在進行形で、レベリングを始める勇者一行。女神と人魚姫がいる。
2人はレベル12000でもはや化け物。
「餌って俺かあああああああ」
勇者ラヴィは現在、怪人バサローグとネズミ王ギャジーンに追いかけられている。
ちなみに、彼等のネーミングセンスを疑うが、女神フレイヤが鑑定してくれた。
「彼等のレベルは2000ですわ、あなた様なら楽勝ですわね」
「く、女神だからって空飛びやがって」
「く、人魚姫だからって土潜りやがって、お前に至ってはおかしいぞ、土は海じゃねええええ」
魔剣Zと魔鎧Zと装備しながら、全力疾走で逃げ続ける勇者ラヴィ。
彼の行くてにはゴールがない。
正確には人生と言う終わりのゴールが待っている。
「逃げてばかりではなく、一発死んでみたらどうですか」
「それで人生終わるけどな」
勇者ラヴィは仲間達に去られた事を思い出していた。
正確には賢者は奴隷に落ち、戦士と僧侶は子供作ってどっかいって、てか魔王討伐の時になんしてたんだ。盗賊はアイテムボックス持って逃走。
「あの頃の勇気をおおおおおお」
勇者ラヴィは魔剣Zを振り下ろした。
斬撃が飛んでいく中で、怪人なんたらとネズミなんたらを両断していたはずだったのだが。
2体とも、軽々と避けてしまった。
「あ、死んだ」
女神いいいい、お前の主が危険だぞおおおお。
だが、助けてくれない。
これはスパルタなのかあああ。
勇者ラヴィ。目覚める。
「実は勇者様、超級の鉱石を掘っていた時、実はレベルが1800になっていたのですわ、さらに今走り続けてレベル2000になっているの、そんな人が魔鎧を付けてるんだから、びくともしまいのよー」
2体の度重なる連撃攻撃は。
次から次へと魔鎧Zが簡単に防いでしまう。
「あれ、死んでねええええ」
勇者ラヴィはにやりと笑うと。
「殺してやるぜえええ」
発狂しながら、2体のモンスターを惨殺していた。
そりゃーもう今までのうっ憤を忘れて惨殺でした。
「おめでとう、レベルが2500になりましたわね」
「よっしゃあああ、あの村人共のレベルまで遠いいい」
勇者ラヴィ、勇気を思い出した。
「あ」
今とてつもなく嫌な予感がした。
ゆっくりと後ろを振り向くと。
魔王級モンスターだろう、今の勇者には鑑定スキルが無いので名前が分からない。
ざっと100体。
なんかデジャブ。
だが勇者はこのデジャブを乗り越えるために。俺TUEEEしながら。次から次へと殺されかけながら、次から次へと、倒しつくした。
「はぁはぁはぁ、死体を金貨にしてくれえええ」
女神フレイヤがせっせと素材から金貨にしてく。
出来上がった金貨枚数は2枚と厳しい。
「よっし、次の階層だ」
「ラヴィ様、レベルが5000になってます」
「よっしゃああああ」
「あと、残念なお知らせですが」
「なんだ、人魚姫マミン」
「次の階層、海のようで、呼吸が出来ないかもしれませんわね」
「え」
「全部海?」
「そうですね」
「なんでわかるの?」
「臭いで」
「えーと、俺泳げないんですがああああ」
「泳ぎの練習しちゃいませんか、魚に食べられる練習しましょう」
「いえ、結構ですと言いたいが、どこの世界に釣り堀で練習する勇者がいるんだあああ」
「一度戻りましょう」
これは女神フレイヤだった。
かくして、次の階層が海である事が判明した。
海を攻略するためには泳げる必用があるのだが。
問題が永遠と呼吸が出来るのか?
「それなら問題ありません、ワタクシの魔法はその為にあるのですから」
なんかいつもバグってる人魚姫ラミンさんが頼もしく見えた。
後、このダンジョンて何階層まであるんだろうか、少し怖くなりつつも。