第4話 人魚姫ってとても優しくない
「俺は今悲しいぞ、フレイヤ、金貨1枚とはどういう事だ」
「仕方がないじゃないですか、モンスターが沸かないんですから、どうやら狩りつくしたようです、モンスターが沸く魔力が馬鈴薯と世界の果樹園が吸い取っているようですわ」
「ふむーどうやったらモンスターを沸かせるか」
「そもそもあなたはいつになったらゲートから出てモンスターを倒すなりレベルを上げるなりしないんですか?」
「そもそも、お前が俺に対して主ではなくあなたという呼び方に疑惑があるぞ」
「どんな疑惑ですか」
「まぁ良い、金貨1枚を回そうではないか」
【UR 人魚姫マミン】
目の前に緑色の魚の尻尾を身に着けた。
1人の蒼い髪の毛の女性がいる。
胸には貝殻を身に着けて、蠱惑的な笑みを浮かべている。
「あら、あらら、これは召喚していただきありがとうございます。この命に代えましてもあなた様を見捨てる所存はありませんことよ」
「あのー文法がおかしいんですが」
「あらまーそんな事を考える暇があるのなら、助けて頂きましょう」
「いやー助けていただくのは俺なんですがね」
「ワタクシが出来るのは、水より魔力を沸き上がらせる事ですわ」
「そ、そうか、それならできるのか、至急水をもってこよう、それでワールドダンジョンに魔力をみなぎらせてくれ」
「了解しましたわ。それで主様は?」
「水を持ってくるだけだ」
「そうですか、分かりましたわ」
人魚姫マミンは少しだけ言葉に問題がある人魚なのだと理解する事にした。
「よっしゃ、持ってきた。余った硬貨を使いまくったぜ」
あの謎モニターと呼ばれている異世界ショップから手に入れてきた。
「じゃ、あとよろしく」
そう言って、フレイヤとマミンをゲートの外に追い出す。
しばらくして2人が戻ってくると、フレイヤの手元には金貨が10枚握られていた。
「おおお、よくやった」
「相変わらずあなたと言う人は」
「主は働かないのか? それなら仕方がない殺してあげないから」
「ちょっと意味が分からないんですが、マミンさん優しさを感じるんだけど感じないんだが? むしろ優しくないのか?」
「ワタクシはいつだってあなた様の事を崖から突き落とす気はありませんわ」
「そんな事は聞いていないさ、さてと、ガチャーガチャー」
【R 釣り堀】
【R 牧場】
【R 魔剣Z】
【R 魔盾Z】
【R 魔鎧Z】
【R 広間拡張レベル2】
【R 広間拡張レベル3】
【R 広間拡張レベル4】
【SR ゴーレム製造機】
【SR レア鉱山】
釣り堀を設置すると、まずマミンさんが住み着きだした。
「どうやら、この釣り堀は無限に魚が湧き出てくるようですわ、食料には困らないので住んであげようと思いますのよ」
そう言っていた。
牧場は。
「えーと、この牧場はどうやら鶏、羊、牛、ヤギの四種類の小屋があり、25頭羽感覚で出現するようですわね、減ったら増えるみたいです」
女神フレイヤが説明してくれた。
魔剣Zはなんか紫色に輝く禍々しい剣で装備してみたら、呪われました。
「呪われると装備を解除できないみたいですわね、おめでとうございます。これで働くことを優先できますね」
とフレイヤが悲しい事をお知らせしてきた。
まぁ、懲りないというか。
魔鎧Zも装備してみたら。
同じく呪われました。
広間拡張レベル2~4はこのダンジョン最下層の広間を広げてくれるもの。
ただ城が1つ収まるレベルなのに、レベル2にすると、1国を、レベル3にすると2国を、レベル4にすると、もはや世界になってしまった。
ちなみにゲートは移動してきて、広間の真ん中に設置されていた。
ゴーレム製造機については。
「鉱物をタンクに入れると自動でゴーレムを製造してくれるみたいですのよ、さらに働いてくれるみたいですわ、馬鈴薯とか良いですわね、また主が怠け者になってしまいますわね」
女神フレイヤさんが小憎たらしい態度で説明してくれる。
最後にレア鉱山については。城の後ろに設置された。
「レア鉱山はレア鉱物が当たり前のように採掘出来ますわね、これで主もお金もちですわね、ですが、このダンジョンではお金の使い道がないから、素材として使う事ですわね」
女神フレイヤさんはとても女性らしくてリアリストであった。
「ふー今日も一日ご苦労様」
「あなたは剣と鎧を装備してるのに、いや呪われてるのに戦わないんかい」
「いやーまだレベル1000ではちときついよー」
「そういうのビビりだと思いますわねーだけどそんな勇者を後ろから殺す事が出来ないのが悲しいけどそんな事を考えた事がありますか無いかなんて問題じゃないんかなーと思いますわ」
ちょっと意味が分からない事を人魚姫マミンが釣り堀に浸かりながら呟く。
ちなみに釣り堀の水を消費して魔力をこのハゲスダンジョンに供給している。
「あ、そういえば、この釣り堀永遠と水が湧き出てきますわね」
「だから魔力に変えてるんだろう、マミン」
「おっほっほですわね」
「お前たまに分からんぞ」
「そんな事はないですわ、この魚たちはワタクシに食べられるために存在している事を感動していないのかもしませんわね」
「あ、うん、諦めたよ」
勇者ラヴィは今日も城の王が住むとされる寝室で深い眠りに着いた。
その次の日もその次の日も、ただひたすらぐーたらしすぎて。
「あああああああああああああああ」
と発狂していた。
「ついに壊れましたか」
「いあ、フレイヤ暇すぎてダメだ」
「残念ながらまだ金貨は出ていませんわ、銀貨、銅貨ばかりですわね」
「はやくガチャしてー」
勇者ラヴィはダンジョンの最下層でダメ人間になっていった。