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第23話 奴隷って女の方が良いだろ? てかなんで俺なんだよおおお

「あのーフレイヤ様? こういう時は奴隷として女が良いと思うんですが?」


「いや、こういう時は勇者様が奴隷になるのがよろしいかと」


「いや、奴隷って女の方が良いだろ? てかなんで俺ななんだよおおお」


 現在、女神フレイヤに連行されている状態。

 しかも、首に縄を付けられてペット状態。


「てかなんで、四足歩行じゃなきゃいけないんだよ、これなんか危険な感じなんだが!?」


「そういう趣味はいりません事よ、そもそも奴隷とはこういうものでしょう?」


「それ女神フレイヤの価値観でしょうが」


「いえ、これは一般常識の価値観ですが?」


「勇者ラヴィ様素敵です。フレイヤ様、ヒモはこちらで確保しておきます」


「確保せんでえええ」


 勇者ラヴィ、犬の散歩状態で奴隷酒場へと乱入し。


「これはこれはお客様、奴隷をお売りいただけると?」


「そうですが、いくらで売れますか?」


「うーん、肌も良いし、なにより筋肉が良い。おっさんと言うところは残念ですが、ちょうどライガー様が子供を殺すのも良いが、子供おっさんセットで殺したいと言っていたので、高く買ってくれるでしょう」


「ほほう、では、お売りしましょう、直接お渡ししたく」


「そうですねーこちらです」


 奴隷商人の舐めまわした視線を浴びながら。

 勇者ラヴィ達は奴隷酒場の中を回った。

 辿り着いた先では、子供が3人いた。

 皆この世界の子供のようで、全身から雷のオーラの様な物を発していた。


「では、そのおっさんをこちらへ」


 子供達と同列に立つおっさんこと勇者ラヴィ。


 対面まで少し距離が離れており。

 そこに雷王ライガーがいた。

 彼の頭はぼさぼさ頭で、傷だらけではあるが、50台くらいのオジサンスタイル全開だった。

 体のあちこちにナイフがしまわれているようだ。


「ライガー様、先程あそこにいるおっさんが売られました。えーと女神フレイヤ様? でしたかな、がお売りいただけたようで」


「ほう、それはありがたいですねー今から皆殺しにしますよーどうせ暇でしたら見ていきませんかー」


「そうですね、彼の最後を見守りましょう」


 その彼の最後とは勇者ラヴィの事ではなくライガーであることを、勇者ラヴィは察していた。


「このナイフで子供を殺す」


 そう言って、ライガーが雷を纏わせるナイフを飛ばす。

 それも同時に3本だったが。


 それが子供に到着する前に落下する。


 勇者ラヴィが高速ではたき落とした。


「あれ? どういう事だろうか、もう一度」


 雷王ライガーがまたもやナイフを投げるもまたもや落下する。


「あれれ、腕が鈍ったかな。もう一度」


 またもやナイフが落下する。


「お、見えたぞ、おっさんなかなかやるな、じゃあ、おっさんから殺してやる」


 ナイフが100本ほど勇者ラヴィの元へと飛来してくるが。


 勇者ラヴィは全てのナイフを掴んで見せると。 

 体を回転させて。

 ライガーの元へと飛来させる。


「う、そだろ」


 雷王ライガーの全身に突き立つナイフ達。 

 だが、雷王ライガーは微笑んでいる。


「良いねー俺のスキルは吸収だ。どんな衝撃もどんな攻撃も力へと吸収しちまう。チートだぜ」


「そうか、なら、もっと食らわせよう」


 ナイフが突き立とうとしてもその力は吸収され、相手の力となる。

 なら、その体のキャパを越えればいい。


 勇者ラヴィは子供達から希望の眼差しで見られながら。

 首から紐を取り外す。


「よっこらせと」


 四足歩行は意外と辛い。

 その状態でナイフを掴み投げるのも辛い。


 ゆっくりと歩く。

 ライガーは嗤う。


「今ままで受けてきて得た力。吸収の範囲のキャパは遥かな高みにまで上った。俺のレベルは42000。それ以下の攻撃は至って平然と受ける事が」


 そこで言葉に詰まる。


「嘘だろお前、レベル52000だ、と」


「どうやら鑑定を使ってしまったようだな」


「ちょ、まて、こっち、くるな、う、わああああああああああ」


 必死で逃げようとするライガー。

 それを微笑みながら早歩きで近づき。


「喰らってみろ、おっさんの祝福をな」


 拳を固めてただ振りおろす。

 渾身のパワーを込めて。

 レベル52000のありったけを込めて。


「うがあああああ」


 背中から拳を食らい。

 吹き飛ぶライガー。

 なぜか、女神フレイヤが待ち受けていて。キャッチしてしまう。


「逃がしませんよ?」


「きゅ、吸収う」


 鼻血を噴出させ、耳と目と鼻から血を噴出させながら。


「きゅ、吸収しきれねええええ」


「どうやらキャパを越えたようだなおめでとう」


 勇者ラヴィは動けないライガーの元へと来ると。

 ゆっくりと拳を固めて。


「や、やめてええええ」


 ちゃんとライガーの両腕をホールドしている女神フレイヤ。

 彼女の怪力ぶりは勇者ラヴィもよく知っている。


 お腹に向かって拳を一発。


 お見舞いするだけで。


「あがああああ」


 と絶命する雷王ライガー。


「よーし、第一ステージクリアー」


「バ、化物だあああああ」


 奴隷商人が泣きべそ書いて逃げていく姿を見ながら。

 勇者ラヴィは一度冒険者ギルドへと帰還した。



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