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第22話 バカにされたのでやっちゃいました

「取り合えず無視で」


 勇者ラヴィは雷のオーラを纏った冒険者を無視しながら、カウンターへと向かった。

 そこではいかめしい男性がこちらを見てにやりと笑った。


「バッファマンの弟子だ」


「ほう? おめーさんバカか? ここでバッファマンと言う名前を出すという事は殺してくれって意味だぞ」


「はい?」


「弟子なら、この状態を切り抜けるんだなぁ」


 回りの冒険者たちが武器を引きぬく。


「げひひ、女達は奴隷にしてやる。お前は殺す」


「女に守られる冒険者とは悲しいねぇ」


「あいつ顔が魔王面だな、むかつくから殺せ」


「ばーかばーか」


「殺しちまえ」


 野次馬が盛り上がる中。


「なぁ、聞いて良いか?」


「なんだ、魔王面」


「俺の顔そんなに魔王面のイケメンか?」


「いや、どちらかと言うと魔王面の馬鹿面だ」


「そうか、お前こっち来い」


「お、やる気か」


 勇者ラヴィ、ぶちぎれる。

 拳を構えた状態で。軽く、小指で相手の頭を触ると。


「ぎゃははあ、小指で頭を触ってぐぎゃあああああああああ」


 小指だけで、男性1名が冒険者ギルドを突き破って吹き飛んだ。


「え、小指だけでええええ」


「うそだろ」


「皆、やっちまえ」


 勇者ラヴィ、にこやかに微笑む。


「皆痛い目を見ないと分からないみたいだね?」


 勇者ラヴィの右手が下から上へと突き出される。

 冒険者1名冒険者ギルドの天井を突き破って空へと舞う。

 勇者ラヴィの右手が左から右へと注がれるだけで。

 冒険者1名冒険者ギルドの壁を突き破って吹き飛ぶ。


「よーしよし」


 勇者ラヴィの右手と左手で頭を撫でられる冒険者2名。

 即座に地面へと落下して、埋まる。


「ば、化物か」


「あいつ、武器じゃなくて素手で」


「しかも早すぎるし強すぎる」


「皆魔法を炸裂させろ」


 全員が詠唱を始める。

 勇者ラヴィは取り合えず。腕組して見守る事に。

 全身に注がれる雷魔法。


 勇者ラヴィの皮膚が空けて骨のように見えるが。

 それでも彼は立ち続けている。

 ちなみに髪の毛がアフロ状態になっているが。


「それで?」


「ぎやああああああああああ」

「化物だああああ」

「逃げろおおおおおお」


「こうなったら女を人質にしてやる」


 だが、一番やばかったのは女の方だった。

 女神フレイヤと剣帝ガランドに組み付こうとする冒険者達。


 女神フレイヤの怪力で肩事骨を外される冒険者。

 剣帝ガランドの抱擁により全身の骨が砕ける音が響く冒険者。


「こっちも化物だああああ」


 冒険者ギルドほぼ壊滅状態にさらされながら。

 ギルドマスターは葉巻を吸いながら。

 つらりと汗を流す。


「すまん」


「良いんだぞ」


「まさか、化物だとは」


「それも良いんだぞ、雷王について知りたいんだが?」


「ああ、良いぞ、1人ライガー、1人ライジン、1人ライデン倒す気か?」


「ああ、倒すぞ」


「ライガーはいつも酒のみだ。奴隷商人から子供を買って殺すのが趣味だ」


「そうか、それはひどいな」


「ライジンはいつも狩りをしている。弱い冒険者のふりをして虐められているふりをしながら逆襲し皆殺しにするのが趣味だ」


「それは怖い」


「ライデンは夜な夜な人込みに紛れて人を殺してる。それが趣味だ」


「ろくな趣味なやついねーな」


「それでも、ひとたび戦争になれば、雷撃王に忠実なしもべだな」


「ふーん、じゃあ、酒場に行けば良いんだよな」


「そうだな、ここだ。奴隷商人がいるところ。ただし、良い奴隷を売らないと入れない」


「そうか、それなら心当たりがある」


「じゃあ行きますか」


 女神フレイヤが微笑む。


「そうだな、こういう時は奴隷として……」




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