第21話 モンスターレベル40000!?
亀裂の下の更なる内側に存在する中心部はの重力は真ん中の巨大な球体に向かっている。
周りには浮遊している島がいくつかあり。その島が発光しており。
それが太陽の代わりとなっているみたいだ。
木々が生えていたり、水が浮いていたり。
少し理解に苦しむ世界。
「これは、島が浮いているのか?」
「そうじゃのう、中心部の雷玉力と外側の雷玉力が相対的に働いて、その中間の部分では重力が働かないという仕組みなのじゃが、わしらにはちと難しすぎるでのう」
「雷船改の操作は任せておけ」
「おう、師匠頼むぞ、俺達はモンスター狩りでレベリングだ。まぁレベルが上がるのは俺とナナシくらいだけどな」
ガチャで当てたウルトラレアのキャラ達はなぜかレベルが上がらない現象になっている。
「では、勇者ラヴィ様、とことんお付き合いしてさしあげましょう、あなたのレベルが50000になるまでね」
「フレイヤ様、50000レベルはもうすぐですよ」
フレイヤが嫌味で呟くと、ガランドが朗らかに囁いてくれる。
「ラヴィ、なるべく援護する。それで私のレベルも上がるだろう」
「ナナシは死なないように頼むぞ」
ナナシがこくりと頷く。
さっそく、眼の前に浮遊しているカボチャ頭の戦士がこちらに飛んできた。
「ガボチャナイトです。レベル40000!」
女神フレイヤが即座に鑑定して伝えてくれる。
カボチャナイトが即座に至近距離に到着する。
勇者ラヴィは雷船改を破壊されると困るので、軽く跳躍して隣の島へと着地。
その瞬間、カボチャナイトが小さなナイフで斬りかかる。
反転しつつ。体がふわりと浮くので、体裁きが難しい。
ナイフが頬をかすり、血の雫が空を舞う。
勇者ラヴィは魔剣Zを引きぬきざま。高速でカボチャナイトの腹を斬り上げたまま、体を上昇させ。
ぐるりと回転させる。
衝撃となってカボチャナイトが後ろへと吹き飛び。
最後に女神フレイヤが今日は久しぶりに使うようで巨大なハルバードを持ち上げて、カボチャナイトの頭を砕いていた。
大量の経験値が勇者ラヴィの体に入ってくるのを感じる。
「お。おおおお」
レベルが急激に上昇していく。
「つぎいいいい」
次は、青いワイバーンが3体至近距離へと到達し。
瞬時に剣帝ガランドが止めを刺そうとするが、やはりレベル12000での攻撃力では物足りず。
「ぬううう」
刃先がワイバーンの背中に突き刺さったまま。ガランドが振り回されている。
「手を離すなよ」
勇者ラヴィが叫び声を上げると。
島から思いっ切りジャンプし、跳躍をし続ける。
ワイバーンの背中に乗るなり、めった刺しを繰り返す。
ワイバーンが死体となり果てると。レベルが上昇していく。
残りの2体のワイバーンが空中より飛来してくると。
異界斬りで空間から移動してきたナナシが、ワイバーンの1体の背中に乗る。
そのまま頭蓋を割る事に成功して、レベルが上がっていくようだ。
最後の1体が至近距離から顎でナナシを噛みちぎろうとする。
勇者ラヴィは瞬時に跳躍して見せると。
ワイバーンの目から頭蓋を魔剣Zで突き刺していた。
「ぜぇぜぇ」
と息を荒げながら。
次から次へと迫りくるレベル40000以上のモンスターの大群との熾烈なバトルを繰り広げていき。
結果としてレベル50000になった。
現在、勇者ラヴィ、バッファマン、ナナシ、女神フレイヤ、剣帝ガランドは雷船改の上でダイノジになってくたばっていた。
「はぁはぁ、もう動けない」
「一応中心部の安全地帯に雷船改を停泊させたが、もう腕が痛くて死にそうじゃ」
「バッファマンさんの操縦技術が無ければ、もう私達死んでいます」
「ナナシさんの異界斬りの力も助かりますわ、勇者ラヴィ様の力だけではとっくに女神フレイヤとしての力であの世へ送り届ける所存でしたわね」
「勇者ラヴィ様、さすがです。この剣帝ガランドの目が落ちそうです」
「皆ご苦労様、問題はどうやってここから出ていくかだ。もう皆力を使い果たしてる」
「勇者ラヴィ様、方法はあります。一応、ラヴィ様から預かっていた。回復ポーションSランクが8本程ありますわ」
「さすが、剣帝ガランド、全員分使ったとしたら、残り、3本になっちまうが、またガチャで当てれば良いとして」
その場の全員が回復ポーションSランクをぐびぐびと一気飲みをした。
「バッファマン師匠いけるか?」
「もちろんじゃて」
その日、バッファマン師匠の偉大さを噛み締めて。
無数のレベル40000越えのモンスターの襲撃から、地上目掛けて移動する事になった。
雷船改が亀裂の隙間を縫って。大地に飛び出た時。
空へと飛翔し続けて。
ようやく自分達がどこに出てしまったのかを悟る。
そこは、雷城と呼ばれる。雷撃王ザディースがいるであろう場所であり。
常闇の中、辺りが雷で覆われているその城の城下町に、勇者ラヴィ達は落下していた。
常闇に包まれているおかげで、多くの人々の目から逃れる事が出来。
「ぐうううう」
衝撃は、ラヴィ達の背中や腰に激痛を与える。
「ここは?」
「どうやら城下町のスラム街に漂着してしまったようじゃな、ここなら人目もないしのう」
「辺りはどうやらゴミとか、壊れた建物とか、廃墟のようですわね」
「ナナシ、ここから異界斬りは出来るか?」
「無理ね、変な結界で守られてるわ」
「なら脱出は無理か」
「そもそも、ラヴィ様は雷撃王との決着をつけるのではなくて?」
「そうだけど、情報が欲しい」
「それならこの城下町を探索すればよかろう」
フレイヤの言う通り、雷撃王とは決着を付ける必用があった。
しかし、情報を整理したい。
この国には確か、3雷王と呼ばれる人たちがいたはずだ。
そいつらを倒せずして、雷撃王に挑むのは間違っている気がする。
「雷王について知りたい」
「ふむ、わしから言える事は、化物だという事じゃが、まぁよかろう、わしはここで待機しておく、ナナシもじゃ、包帯姿は目立つ。3人でこの地図にある冒険者ギルドに行ってこい」
「ここか」
「そこの、ギルドマスターとは知り合いでな、バッファマンの弟子だと言えば通じるはずじゃ」
「行ってみる」
3人は軽くバッファマンとナナシと別れて。
廃墟とかした街から、歩き続けている。
「ここはひどいな、スラム街と言えば良いんだろうけど、沢山の浮浪者がいるな」
「皆の目から希望がないですわね」
「どことなく私達の装備品を狙ってそうだけど」
沢山の人々が、勇者ラヴィ達をじろじろと見ていて。
やはり、武装しているので、近づいてこない。
ラヴィ達は大きな建物を見つけた。
そこには冒険者ギルドと言う文字が書かれており。
扉をあけ放つと。
約束通り多くの人達の目にさらされた訳だが。
「よぉ、女連れかい? 男は引っ込んで、女を置いて行け」
さっそく洗礼を浴びる事になった。




