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第18話 ドラゴンスレイヤーちょっと強すぎじゃない?

 分身勇者ラヴィ、死霊王デス騎士、魔神ファイガは普通に盗賊王ギャバンがいる砦のような場所に辿り着いたのは良いんだが。


 その周囲にはドラゴン系のモンスターばかりが護っていた。


「あいつドラゴンに憧れてたからなー」


「ドラゴンは昔からカッコいいから燃やすべき」


「……」


「ファイガ全部燃やして良いぞ」


「でも、ここは勇者ラヴィ様が戦うべき」


「お、譲ってくれるかありがとな、じゃあ、ドラゴンスレイヤーの力でも試すか」


「それが良いと思うわ」


 肩に肩幅くらいありそうなドラゴンスレイヤーをぽんぽんと叩きながら。

 勇者ラヴィはハイスピードで走り出した。


 ちなみにドラゴンスレイヤーに触れなくても、近づくだけでドラゴンそのものが燃えてしまった。


「嘘だろ、ドラゴンスレイヤー強すぎだろ」


 歩く凶器と化した勇者ラヴィ。

 ハイスピードで歩く物だから、次から次へと近づくドラゴンが蒸発していく。


 それを見ていた砦の人達が恐怖の声を上げたのは紛れもない真実。


★ 

「ぎゃ、ギャバン様、魔王軍が3名来ました!」


「なんだと、てか魔王死んだんじゃ」


「1人は魔王ラヴィです。1人は全身が燃えており、1人はスケルトン騎士です」


「ま、魔王軍だああああ」


「王子と姫を呼びました」


「ギャバン様、これはどういう」


「王子よ逃げる準備をしろ」


「なぜですか、あなたは誇り高い盗賊王ではないんですか、魔王ぐらい倒してください、あいつは父上をパンツ一枚にして意味の分からない狂言をさせた人物ですぞ」


「そうですわ、兄の言う通りです」


「お前等、ラヴィの怖さを知らないから、あいつはいつも頭がおかしいんだよ、だからアイテムボックス盗めたんだけどな」


「どこが頭がおかしいんですか」


「あ、あいつはな、アイテムボックスにモンスターの死体を詰め込みやがった。しまいには人間までもだ。普通入れたいと思わないだろ、おれなんか怪我したらアイテムボックスに入れられて運ばれたんだぞ、その時の意味の分からない世界を見せ付けられた最悪な気分を分かるか!」


「お察しします。ギャバン様」


「あいつはな、滅びた村をアイテムボックスにいれたんだ」


「なんですと」


「そして隣の村に吐き出してな、で、どうしてくれんの? て」


「意味が分かりません」


「隣の村のせいで、この村は滅びましたから、その罪を償いましょう、だから滅びた村の建物を使ってモニュメントの勇者像を作りましょうって」


「きょ、狂人ですね」


「逃げるぞ」


「うおい」


「ぎゃあああああああああああああああ」


 盗賊王ギャバンの後ろ、つまり窓枠にて勇者ラヴィが仁王立ちしていた。


「迎えに来たぞ盗賊王ギャバン」


「ははぁああああ」


「き、気持ちの切り替えが早すぎる。さすがギャバン様」


「妹よあれはマネするなよ」


 現在盗賊王ギャバンは正座をさせられており。

 仁王立ちの勇者ラヴィが演説している。

 王子と王妃もそれを眺めている現状。

 レベル1000以上のギャバンの配下達は全員、魔族みたいな2人にやられてしまったらしい、全員縄で縛られている。


「アイテムボックスはどこだ?」

「ここにございます、ですが」

「ですが?」

「また悪用は避けてください」

「もちろんだ。取り合えずこの砦を全部アイテムボックスに入れて移動させよう」


「始まったああああああ」


「何が始まったのかね?」

「ラヴィ様、その使い方間違ってますよアイテムボックスとは本来アイテムを入れる為のものです。なぜに生き物を入れたり、建物を入れようとするんですか?」


「便利だからだろ?」


「それ違うでしょおおおおお」


「そうだ。ギャバンお前が俺を裏切ったこと思い出したぞ」

「今まで忘れてたんですか!?」


「忘却の彼方に吹き飛ばしてしまっていたようだ。今俺の記憶に風のように戻ってきたよ」

「詩人みたく言っても無駄ですよ」


「そうだギャバン、王子と姫を一度バルフ王国に戻そう、王が合いたいはずだ」


「ぼ、ぼくは戻りません、まだ盗賊王になってないので」

「わ、私もですわ」


「2人共頑固か、じゃあ、一度そういう報告してくっから、じゃあ、ここにいる人と全てをアイテムボックスにいれちゃうから」


「や、やめてくれええええええ」


 物も言わさずに、勇者ラヴィは全てをアイテムボックスに収納した。


 ドラゴン系モンスターの死体。ほぼ骨だけど。

 あとは砦そのものを、これはダンジョン王国においておけば色々と使えるだろう。

 盗賊ギャバンと王子と姫を。

 ギャバンの配下達も収納可能。


「よし、一度戻るか」

 

 再び、バルフ王国に帰還する。

 もちろん街道を歩いていると。

 民衆が悲鳴をあげる。


 全身が燃えている女性と、スケルトンの騎士はシュールそのものだったようだ。


「皆、お前等を気に入ってくれているようだな」

「なんだか視線が痛いんですが」


「お前全裸だからな」

「燃えてるからじゃないでしょうか」

「……」


 玉座に向かっていると。

 王が座っている。

 王はこちらを見て、にやりと微笑むと。


「よく、盗賊王ギャバンを討伐してくださった」


「使役してるとは言えまともだな」


 王は握手するように近づき。

 

「その前に」

 

 見た事もない機械を取り出して、何かしら話している。

 しばらくして彼はこちらにやってきて。


「握手しよう」


 勇者ラヴィと国王が握手した時。

 大爆発が起きた。


 一瞬にしてバルフ王国は滅ぶ事となった。

 歴史に1人の勇者が死に。

 今は魔王が死に。

 

 物語が終わるはずだったんだが。







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