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第17話 盗賊王ギャバンはモンスターの心を盗む

 分身魔法。

 問題があるとすれば、服や装備が分身されないという事なので、全裸の勇者ラヴィが生まれた。

 彼に装備をさせる為に、万物の鎧とドラゴンスレイヤーと爆発の盾を装備させて。


 ちなみに、勇者ラヴィの本体が雷撃世界に行っている時、分身の勇者ラヴィはぐーたらしていた。


「あーめんどい」


「1日ぐーたらしてたけど、そろそろ行くか、本体も戻ってきてまた行ったみたいだし、デス騎士ーいるかい」


 全身巨漢の骨の騎士。

 彼なのか彼女なのか分からないが、分身のラヴィ勇者に付き従う。


「魔神ファイガ探してきてよ」


 すると無言でいなくなる。

 1時間後に魔神ファイガを連れてきた。


「一度バルフ王国の冒険者ギルドに行こうと思うよ」


「そうですか、せっかくニーナと呼ばれる友達が出来たのに、しばらくお別れかー燃やしたかったな」

「友達は燃やしちゃだめだよ、じゃあ、帰還魔法で移動するよ」


 3人は帰還魔法でバルフ王国の冒険者ギルドに直に飛んでいた。

 まず、冒険者ギルド内がパニックに包まれる。

 勇者ラヴィならまだ人間に近いからいいが。

 デス騎士とファイガはもはや魔人に近いというかモンスターに近いので。


「ぎゃああああああ」

「襲撃だああああ」


 という事になり。


 勇者ラヴィが説明すると、その場の冒険者達が落ち着いてくれたのでほっとする。


「よし、落ち着いた所で、マスター話がある」

「なんだい」


 もみあげが濃い冒険者ギルドマスター。

 髭面であり、眉毛も濃い、髪の毛も濃い。

 

「マスターいつからゴリラ化したんですか」

「失礼な、ゴリラって遠い異国の動物じゃねーかい、わっしはれっきしたナイスダンディーなマスターですぜ、で話ってなんですかい」


「盗賊王ギャバンについて聞きたい」

「へぇ、良い目してるんじゃないんすか、彼ならバルフ王国の近くにある山岳地帯。えーとドラゴン山脈にて要塞を作って自称王様になってる。配下はどれも癖も物でレベル1000は越えてるとか。モンスターを使役する事に成功したんだってさ」


「ギャバンは確か盗賊の癖してモンスターの心を盗む事が得意だったからなー」


「そうなんですかい?」


「まぁ、アイテムボックスも盗まれちまったけどな」


「取り返すんで?」


「そうだが」


「あそこにはガルス王子とデーニャ姫がいますよ、なんか盗賊王になるらしいです」


「それはあのバカ王に聞いたよ」


「今じゃーラヴィ様が王様ですね、あと謎の集団が先程王城に行きましたよ」

「へ、へぇ」


「鑑定士の話によると、レベル9999だったとか」

「よし、ありがとう」


 勇者ラヴィはデス騎士とファイガを連れて、早速旅に出る事になった。


「逃げたもんガチさ、今の俺には村人100人相手に出来ねーからな」


 これでもレベル9999。

 だが、レベル9999を複数相手にして勝てる見込みはない。ガオス王には生贄になってもらおう。


★ 100人の村人【バラノード】

 

 その生意気そうな少年は右手と左手で何かを掴んでいた。

 だがそこには何も掴まれておらず。


「へぇ、王様、なんで勇者ラヴィを王様にしたの?」


「い、いえ、気付いたら洗脳されていまして、逆らう事が出来ないのです」


「なら殺すよ? 民も皆殺しにしちゃうかい?」


「それだけはご勘弁を」


「まぁ、勇者ラヴィが戻ってきたら連絡してよ、このスマホ置いておくからさ、使い方教えたでしょ、スマホ使って、村長に電話するだけ。そしたらカイルが転送魔法で飛ばすだけだ」


「は、はい」


「カイルの転送魔法はダンジョン内には飛べないから勇者ラヴィを殺す事が出来ない。そもそもなんで、村長は奴をハゲスダンジョンに飛ばしたんだが、1回限りの転送なのに、自然と死ぬ前提だったんだろうけどさ」


「あの、ラヴィはとてつもなく強くなっていました」

「へぇ、そりゃ面白い」


「夢想剣の達人バラノード様の方が強いかと」

「そうだろ?」


 バラノードは異世界地球からやってきた小学生だった。

 見た目は今も小学生だが。

 もう100年と言う月日が流れている。


 なぜか地球から来た人間は年を取る事が出来ない。

 つまり不老不死と言う事になる。


 ただし殺されれば死ぬ。


「勇者ラヴィ、俺達に生意気な事を働いたのが奴の本性だと思ってるが、仲間が挑発スキルで誘導してやったのに、これじゃー作戦が台無しだよ」


「な、何をなさるので」


「勇者ラヴィの血筋は魔王だが、本当は違う、魔王とは」


「ま、魔王とは?」


「神の血筋だ」


「神」


「その血筋を全員殺せば、ぼくっち達は地球に帰る事が出来る。あの村だって、神の血筋が生きていた。後何人だ」


「そ、そうですか」


「おい、ゲトラッシュ、頼む」


「はい」


「何をなさるので?」


「お前には爆弾になってもらう」


「や、やめてくださいいいい」


「俺の力。スキル自爆装置はな触れたものをいつでも条件下で自爆させる。お前はラヴィと出会ったら自爆しろ」


「ガーナも頼む」


「私のスキルは忘却よ、今の話忘れて頂戴」


 ガオス王は虚ろな瞳になり。


 バラノードが頷き。


「これからも頼むぞガオス王、スマホで電話はやっぱりしなくて良いが、一応電話してくれると嬉しいから置こう」


「御意でございます」


 バラノード、ゲトラッシュ、ガーナの3人が風のようにいなくなる。

 彼等はレベル9999の村人で地球にただ帰りたい人間だった。



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