第13話 国王ガオスの記憶を奪う
「くっくっくっく」
勇者ラヴィはほくそ笑んでいた。
なぜなら、100名の村人の名前が分かったからだ。
国王ガオスの記憶を全て所持する事が出来る。
使役スキルの恐ろしい所だった。
「これで、国王ガオスは俺の支配下に、さて、国王ガオスよ、この国民に対して、俺への疑惑を払拭させるために、パンツ1枚でベランダに出ろ! 今こそ裸の王様になるんだ」
「御意」
国王ガオスはパンツ一枚になると。
ベランダに向かって歩き出す。
痛みに悶えているルヴィーとグレイドは涙を流して、国王を止めようとするが。
「どうした? ルヴィーとグレイドお前等は使役されないのか?」
「ぐそ、だれが」
「いでええええ」
「しょうがない、殺そうか」
その時だった。光輝いた瞬間、2人が消滅した。
「逃がしたか」
やってる事がほぼ魔王そのもになりつつあるのだと自覚する事が出来ない勇者ラヴィ。
「我は! 勇者ラヴィに対して嘘を言っていた!」
「その通りだ。本当の事を言え」
「勇者ラヴィは20歳の時に酒場の女性に恋をして告白したんだが、その女性は実は男性だった事を知ったらしい。勇者ラヴィは」
「そこじゃねえええええ、修正しろろおおおお」
「勇者ラヴィは25歳の時にゴブリンに殺されかけたんだが、実は前日に宿屋のお姉さんに毒を盛られておってな」
「そこもちがうううううううう」
「勇者ラヴィは30歳の時に盗賊ギャバン、今は盗賊王ギャバンにアイテムボックスを盗まれておってな、わしはあやつに息子と娘を奪われてしまったのじゃ、息子と娘はなぜか盗賊王になるんだとか言って悲しかったなー所で勇者ラヴィは魔王を討伐したんじゃが、本当は知らん」
「そこをちゃんと説明しろおお、確かにお前は知らんけど、俺が報告する前に、俺は飛ばされてんだよおお」
「勇者ラヴィは魔王だ!」
「そこ違うでしょお、それは国王の思いだろうが」
「勇者ラヴィは魔王ロンガルドの弟で、実は魔族の血を引いている。あ奴め目はわしに騙されて兄を殺したのだ!」
「て、まじですかああああああ」
とんでもない真実が暴露された。
いあ記憶を盗んだときにその情報無かったんですが。
どうやら魔法で封印されていたようだ。
「魔王ロンガルドは人間から魔人化してな、わしがちょっかい出しすぎて、人間不信になったんじゃ、全てわしが現況じゃ、だがな、そこの魔王ラヴィはバカだ。バカだバカだバカだ」
「そこまでバカって言わんでもそれがお前の真実なんだなあああ」
民衆がパンツ一着の国王に対して。
どよめいているというか、勇者ラヴィが魔王だという事が判明して。
「やっぱりかー」
「あいつ魔王面してからな」
「だよな」
「魔王ラヴィか」
「この国も終わりかな」
「魔王が支配するバルフ王国も良いかもよ」
「魔王様ー税金安くして―」
「と、とりあえず。税金なしにすっから」
魔王ラヴィが叫ぶと。
次の瞬間。
沸き上がる歓声が轟いた。
【うおおおおおおおおおおおお】
【魔王ばんざーい】
まさかのここまで受け入れられるとは、勇者ラヴィも思わなかったほどだ。
「よーし、裸の王様よ俺の指示通りに国を治めろ」
「御意」
「問題はあの2人か、ルヴィーとグレイド、後々厄介だな、3剣士のうち1人は殺したしいっか」
勇者ラヴィの魔王説の話は次から次へと世界中を渡り歩く事になることを本人は知らない。




