第11話 月日は故郷を変えてしまっていた
「ここどこだ?」
巨大クレーター。
何か巨大な岩が落ちている。
辺りは何もない。
よーく見ると建物の残骸が転がっている。
「えーと?」
1人の老人が椅子に座ってこちらを見ている。
「な、なななななななな、なんということだ。勇者ラヴィ様ではござらんかぁ」
「あ、賢者、お前ギャンブルのしすぎて奴隷になったんじゃ」
「なんとか奴隷から逃げてきましたですじゃ」
頭はつるつる禿げ。
賢者は腰を痛めながら歩いてくる。
「新しい勇者パーティーですかな? え、レベル12000て、化物ですかい、てか勇者様のレベルが9999なんですがああああああ、カンストじゃないですか」
「そだ。カンストを超える方法を教えて欲しくて賢者知ってるか?」
「いや知ってるけど、ですがこの村は1ヵ月前に人間国の隕石魔法で滅ぼされましたよ?」
「えーと、なぜ?」
「話によると勇者、あなたが横暴な態度で人間国の伝説の村を襲撃したとかしないとかでもめて、バルフ王国のガオス王が異世界賢者にお願いしたそうじゃ」
「え、ええええ」
「村人たちは?」
「全員死にました」
「……おのれぇええええええええ」
勇者ラヴィ、父親と母親を亡くす。
幼馴染の女の子までなくす。
残された身としては物凄く悲しく感じるのであった?
「あの村人達めえええ、ぬっころしてえええ」
「その村人達って」
「賢者ハルガドまた手を貸してくれないか」
「良いですけど、どうせ奴隷商人から逃げている身ですからね」
「賢者ハゲガド、お前が知っている情報すべてくれ」
「ハゲガドじゃねーし」
剥げている賢者ハルガドが怒りを表明するが。
ラヴィは思案している。
「とりあえず、一度ダンジョンに戻る、ガランドにフレイヤ」
2人が頷くと。賢者を含めて帰還魔法を発動させた。
★
「つまり、戦士も僧侶も盗賊もわしが奴隷になったとたんに抜けて1人で魔王を討伐したという事ですか?」
「つまりそういう事だ」
「その後調子に乗って村で暴れたら、SSSSS級のレベル9999相当の村人達に襲われたとしかも100人全員に」
「ああ、驚いたな子供ですら超人だったぞ」
「あはは、伝説は本当だったんだ」
「何の伝説?」
「異世界人100人がこの世界に転送されてきて、彼等は超人クラスだと聞いています。数も村人の数もあってる事から恐らく彼等は異世界人でしょうね」
「なるほど、夢を見たいな、俺もいつか異世界に行ってみたいものだ」
「ご冗談を、異世界はとてつもなく危険だと聞いていますよ」
「はは、それもそうか、賢者ハゲガドよ」
「何でしょうか」
「ここに滞在してくれぬか、いやこれは強制だ」
「行くところがないって言ったじゃないっすかー」
「そうか、俺は嬉しいぞかつての仲間がやってきてくれて、このダンジョンゴーレムくらいしかいないから話相手がねあとは、ウルトラレア級の人達、会話があわねええええ」
「まぁ、貧乏ガチャなんて呼ばれてるけどなんで貧乏なんでしょうね、金貨って高い方なんですが」
「高くて支払えないから貧乏ガチャ?」
「うーん、それは違うかと、貧乏ガチャって金欠に困ってガチャ回してもいいのが出ないって筋書では?」
「よくわからねぇな、まさかガチャ回すたびに負債を負ってるとかじゃねーだろうな」
「それはないんじゃないんですか?」
「さてと、俺はバルフ王国に死の宣告とやらをしてこようか」
「そうでした、レベルカンストの方法がありますよ、そうすれば、村人100人以上に勝てる見込みが出てくるのでは?」
「ほほう」
「この世界は100人の転移して来た人物が神と交渉してレベルを9999までとしました。しかし異世界では、レベル上限がありません。という事をかつて異世界からやってきた師匠に聞きました。まぁ、行く方法があればの話ですが、確か行く方法はゲートだそうです。マークがあって、わしが見れば分かると思いますよ」
「よし、こっちこい」
勇者ラヴィは賢者ハルガドを連れて、取り合えずダンジョン最下層の広間にやってきた。
まず、最下層の1階層に繋がるゲート。
これは開かない。
そこに入るとハルガドが瞬殺されるので。
三つのゲート。
「おおお、これは、3つとも異世界ですねぇ」
「おっしゃ」
「ですが、異世界の法則は分かりませんよ? わしは」
「大丈夫だ。俺とフレイヤとガランドで行こうと思う」
「わしは行かなくても?」
「お前来ると死ぬだろ」
「あっはっは、ご明察」
「先にバルフ王国に死の宣告ぶちかましてくるわ」
「程々にですね」
勇者ラヴィは帰還魔法を発動させていた。




