第1話 俺TUEEEと思いきやもっとTUEEEのが100人いました
場所はバルフ王国のとある村。
「よし、魔王を討伐した後は酒だ酒だ」
勇者ラヴィは一人ぼっちで魔王を討伐してきた。
「そもそも、賢者がギャンブルにはまって奴隷に落ちたのにはびびったな」
とか。
「そもそも、僧侶が戦士と恋をして子供作っちまって、そのまま田舎に帰るとはな」
とか。
「なんで、盗賊なんて仲間にしちまったかーアイテムボックスを盗んで逃げて行きやがったぜあれ以来、素材集めが大変で大変で」
勇者ラヴィはどこに行ってもお調子者で、何かに巻き込まれる体質であった。
結局は魔王ロンガルドを討伐する時なんて一人ぼっちで攻略するほどだった。
「もう仲間なんて作らない!」
仲間が入れば良い事がある?
そんなものはない。
なぜなら、仲間がいると何かトラブルが起きるからだ。
とある村。
どこにでもある村。
普通の酒場。
中に入ると、村人達が酒を飲んでいる。
少しはめでもはずすかーとか思っていると。
「おい、亭主、酒を沢山持ってこい、俺は勇者だ。ほれこの通行証が」
「そうですか、勇者様なら酒一杯1金貨になります」
「ふざけるな! 1金貨はゴブリン100体討伐ものだろうがよ」
「勇者様はとてもお金もちでらっしゃる。スキルだって沢山あるでしょうに」
「今俺はレベル1500だ。すげーだろ、人間が到達できない領域まで到達してるんだぜ、あの有名な勇者バルバルなんてレベル2000だ。あともうちょいで伝説を、お、そこの姉ちゃんこっちこい」
と勇者が椅子をけ飛ばすと。
その姉ちゃんはどこかに去っていった。
「おい、てめーら俺が勇者だって知らないのかよ!」
そんな事を言いながら酒場を破壊して回ると。
「あまり調子に乗らないでね?」
と1人の少女、つまり5歳くらいの女の子が右手だけでテーブルを持ち上げていた。
いや、その時点で可笑しいとは思ったんだよね。
だけど、きっとテーブルが軽かったんだ。
そんな事を。
思っていたんだ。
「あのーうるさいんですが」
「どうした!がり勉男」
ぐるぐるメガネの男性が本をもってやって来た。
続々と外からも村人が集まってきて。
ざっと100人くらい集まって来ただろうか。
「あのー俺一応勇者なんですが?」
「ふぉふぉふぉ、鑑定を使ってみるとよかろう」
長老らしき人物が呟くと。
勇者ラヴィは鑑定を使う事に。
今年で30歳になる彼は、人生で初めてびびった。
「SSSSS級村人ってあんたは村人賢者って意味がわからないんですがあああ」
「レベル換算にすると9999レベルと言う事じゃ」
「あのーこれはー見逃してもらえませんか?」
「無理じゃ、お主は勇者らしからぬことをした」
「そもそもあんたらで魔王討伐すりゃいいでしょ」
「わしらは干渉しないだけじゃ、お主には罰を与える」
「えええええ」
「スキルを全て没収し、レベルを0にする、新しいスキルの貧乏ガチャでも授けよう」
「貧乏ガチャなんて聞いた事がない!」
「1金貨1回回せる高額ガチャじゃ」
「ふ、ふざけるなあああ」
「良い事を教えようわしらは甘くない」
「えええええ」
「これから、お主をテレポート魔法でハゲスダンジョンの最下層に送ろうと思う」
「ご勘弁をおおおお」
「あそこは最下層だけでもレベル1000を優に超えておる。地上に戻れるか楽しみじゃな、ふぉふぉふぉ」
そんな事を村人賢者が呟いていたのは覚えている。
で、気づいたら、現在、どこぞの薄暗闇に包まれているダンジョンに立っていた訳だ。
ダンジョン広間。
とても広くて、良いところだと思う。
「こんな所に家とかあれば良いんだけどな、そもそも、この扉の向こうには楽園ではなく地獄が広がってるんだろうな」
広間、周りを四角い入れ物のようなもので囲まれている。
扉を開ければきっとワールドダンジョンでも広がっているのだろう。
空があり、雲があり、それでも天井がある。
最下層。
そこから登るにはどうしたら良いのか。
「さてと、俺レベル0でどうしたらあああああ」
その叫び声だけが反響していた気がした。
だが奇跡が起きた。
広間の真ん中にお供え物のように金貨1枚が転がっている。
勇者ラヴィは取り合えず拾って、スキル貧乏ガチャを発動させた。
【UR 女神フレイヤ】
なんか、空間に亀裂が走り。
1人の蒼いドレスを纏った女性がふわりとやってきた。
蒼い髪の毛をしており。
こちらを見ると、膝をついて、忠誠を誓うようにして。
「勇者ラヴィ様、お仕えする為に異世界よりやってまいりました。女神フレイヤと申します」
その日、勇者ラヴィの運を尽きていなかった!?
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