冤罪で追放だと言われましたがこの度貴方の義母となります
たくさんの作品の中から読んでいただきありがとうございます!只今勉強中です。よろしくお願い致します^ ^
「ディアリーチェ!!お前とは婚約を破棄する!私の愛するマリアを醜い嫉妬で虐めていたのはわかっている!未来の王妃を虐めた罪は重い!よってお前を貴族籍剥奪の上、国外追放処分とする!」
「まぁ。証拠はありますか?ありませんよね。無いからこの国王陛下が外交へ出ていらっしゃる時にそんな馬鹿な事を言い出したのでしょうから。それより良いのですか?私貴方様の公務をほとんどしておりましたのに。」
扇で口元を隠しゆったりと答える。国王陛下が居ないパーティーでの話。周りをチラリと見渡すと私が居なくなるかも知れないと喜びを隠しきれない者とおかしいと思いながらも今この場ではこの馬鹿に逆らえないので困惑する者とに分かれていた。
まぁ前者は追々お礼をするとして。
「お前に出来ることを私に出来ないはずがないだろう。証拠はマリアの証言だけで十分だ。兵士よこの者を国境まで連れて行け。どの様に扱っても構わん。」
まぁもう子守も飽き飽きしておりましたし、いいでしょう。
「婚約破棄、承りました。」
困惑している兵士達を視線で誘導し、自らの足でその場を後にする。何故兵士より先に歩く、とか、何故拘束しない、とか、言っておりますが聞く人間はありません。当たり前です。この国は何もしない名ばかりの王子の言う事を聞く人間など王子を傀儡にし自分の良いようにしたい者しかおりません。その者も兵士に睨まれ動けない様ですが。
さぁ、折角ですから旅行とでも参りましょうか。そうですね。国王陛下が外交へ出ていらっしゃる国と反対の国へ参りましょう。それなら少しは楽しめるかしら。
思い立ち馬車へ乗り込むとそこには見覚えのある顔が。
あぁ、やっぱりダメでしたか。
「余興は楽しんでもらえたかな?」
「国王陛下。外交はどうされました?かなり前から決まっておりました様に思えますが。」
国王陛下は優雅に足を組み直しこちらを見る。
「もちろん終えたよ。一月も前にね。予定を早めてもらうくらい訳ないさ。余興を行う予定だったみたいだから見たくてね。君も分かっていただろう?」
はぁ。っとため息をつきたくなるのを堪え頷く。国王陛下は息子を見限ったようだ。まぁ当たり前だが。
「私はこれからどの様に致しましょうか。」
「あぁ、それだけど。俺の妃になればいいよ。馬鹿息子の母親が亡くなってから周りも色々うるさいし。馬鹿がいなくなるから世継ぎも必要だしね。それに君の事、気に入っているしね。」
「かしこまりました。」
周りのわぁっという歓声が聞こえる。馬車の扉を閉めてはいなかったので聞こえていた様だ。私とした事がそれも気が付かなかった様だ。やはり国王陛下には敵わない。
あっという間に話はまとまり今度は国王陛下と共に中へ戻る事へ。中では王子がマリアの肩をだき取り巻き達と共にパーティーを楽しんでいた。
「ねぇ王子様?これで私、王妃になれるんですよねぇ?」
「もちろんだ。私の妃はマリアだけだ」
「嬉しいー!じゃぁ王妃に似合う宝石とドレスを買ってくださぁい♡」
「勿論だとも!」
そんな会話が聞こえチラリと国王陛下を見るとニヤリと笑っている。
「いつからお前が次期王妃を決める立場となった?」
国王陛下は笑いをすっと隠し声をかけた。流石である。
「ち、父上?!どうしてここに?!」
「え、この人がお父様?カッコいいですねー♡はじめましてぇ♡マリアって言いますぅ♡」
「誰が発言を許した?兵士よ。この女を牢へ連れて行け。」
いやーーーーーーーー
っと、叫びながらずるずるとマリアは連れて行かれた。
「父上!マリアを解放してください!私の妃になるのですよ!」
「あぁ、安心しろ。お前を廃嫡とするから平民になりあの女と好きに生きろ。お前に免じて先ほどの女の不敬罪は多めにみてやる。」
「な、何を?!父上の子どもは私しか、居ないのですよ?私が後を継がずどうするのです。」
それを聞くと国王陛下はニヤッと笑い私を抱き寄せた。
「安心しろ。俺は再婚する事にした。相手はディアリーチェだ。一応お前の義母になるな。まぁもう会う事はないだろうがな。あぁ、勿論イジメなどしていなかったぞ。影をつけているんだ。証拠はある。まぁ今回はあの女の自作自演だ。それもまぁ死罪ものだが、そのおかげでディアリーチェが俺のものになったと思えばまぁ多めにみてやろう。次は無いがな。
さぁ誰がこいつを連れて行け。しばらく部屋で謹慎、それから追放する。心の準備をしておけよ」
王子は放心状態でズルズルと引き摺られていった。
それから、マリアと王子は国王陛下の言葉通り平民となり追放された。マリアはすぐに王子を捨て、何処かへ行ったようだ。王子は放心状態のまま用意されていた小屋へ籠っているそう。
そして私は王妃となった。
すぐに子どもも産まれて今では3児の母である。
なんだかんだと結局は国王陛下の手のひらの上だがそれでも幸せに暮らしている。
読んでいただきありがとうございました♪