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聖女じゃないけど期待に応えたい!   作者: あまのしずく
2/5

一般人

「「「おおおお!成功じゃ!!」」」


立ちくらみのような感覚から持ち直しゆっくりと目を開けると、薄暗い部屋の中にいた。

だんだんと目が慣れてくると、東北地方とか雪国の昔の家…みたいな雰囲気の部屋の真ん中に私がいて、その周りをボロを纏ったような人間がぐるりと囲んでいる。羅生門に出てきそうな人ーーといっても顔は外国人っぽいーーから仙人みたいなヒゲを蓄えた人までいる。漠然と「え、今からまさか食べられる!?」と身震いしてしまいそうな雰囲気だ。


周りの歓声が落ち着き始めた頃合いを見計らってか、目の前にいた男の1人が興奮を抑えきれない様子で私に話しかけて来た。


呆然と座り込んだままの私に語られる国の…というか村の現状。まるでゲームのプロローグみたいだなと、どこかスクリーン一枚隔てて客観的な視点から現状を見ていた私は、ハタと気付いた。

もしかして:異世界召喚


「いや、私聖女じゃありません」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おおお!やはり!言い伝え通りじゃ!」

「伝承によれば1000年も昔に呼び出された聖女様も、さらに遥か昔の聖女様も皆、初めに口を揃えてこう言うんじゃ、」

「「『私聖女じゃありません』とな!」」

「伝承に残るような偉大な聖女様の共通点じゃ!!」


これで村も安泰じゃ!神は我らをお救いになったぞ!と、まるで飲めや歌えやの村人達と反対に私のこめかみに冷や汗が伝う。それを拭おうと持ち上げた腕が視界に入った時、私は自分の目を疑った。


こういう(小説でよくある)異世界転移ものにはステータスが付いているのが定番だ。しかもよく近未来的な技術で、空中にウインドウがブブンと現れるような奴。それがなんと、自分の手首に書き込まれている。まるで刺青のように。

そこに書かれていたステータスに目をひん剥いた。


ステータス

四条 凛 Lv.1

クラス: 一般人

(称号:巻き込まれた人)


私いっぱんじんんんッ!!

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