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序
今日から新しい世界が始まります。
そう言われても頷いてしまうほどの眩い朝焼けだった。
社会人一年目にして、あらゆる困難を乗り越えた私の次なる敵は12連勤だった。13連勤なんて微塵もする気はなかったので、日付が変わろうとも暗闇の中デスクライトと飲み飽きた缶コーヒーと共にパソコンとにらめっこし、空が白み始めたところで会社を出た。意地でもぎ取った休日の始まりである。勝利の朝焼けのあまりの眩さに、強く目を閉じた私は足元が、世界がぐるりと回るような目眩に襲われた。
だから私は思ったんだ。これは、きっと倒れて(眠って)しまったんだな、と。
だって、そうじゃないと説明がつかないから。
ーーー彫りの深い老人たちに囲まれているこの状況が。