表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/10

応募作を使い回すことの是非

 多くの新人賞に作品を応募した私ですが、『落選した作品を他の新人賞に送る』という経験もあります。


 この『再投稿』については、賛否両論の議論があるかと思います。


「ひとつの作品をなるべく多くの出版社や審査員に見せて、複数の意見を貰うのは良いこと」

「他の新人賞では一次や二次落ちだったが、最終審査まで行ったり受賞したケースもある」

「いやいや、落ちた作品を手直しして他のところに送るくらいなら、新しい作品を書き上げるべき」

「再投稿した作品だなとバレることもある。その時点でマトモに審査してもらえなくなる」


 などなど……。他にも様々な意見があるようです。



 私個人の意見としては、「次々に新作を生み出せるなら再投稿はしない方が良い。ただ、複数の出版社に見せるのも悪くはない」という……どっちやねんって感じですね。


 順を追って説明します。


 まず私は、書き上げた作品を新人賞に応募し、落選しても修正を加えてから、新作と共に二作応募していたりもしました。

 Aという新人賞では二次選考で落ちてしまったのに、Bという新人賞では最終選考まで進んで、あと一歩で書籍化できるところだった。そんな経験があります。

 逆に、Bの新人賞では良いところまで行ったのに、Cの新人賞では一次審査すら通過できなかった、という経験もしました。


 D新人賞の一次審査を通過した際、評価シートはオールA判定で「素晴らしい作品でした。シナリオのお手本のような出来栄えです」と絶賛され、「おっ、コレは行ったか!?」と期待しました。

 しかし二次審査で落選し、評価シートはオールCで「もっと基本を勉強しましょう」と指摘され、流石に笑っちゃったこともあります。どっちやねん。


 ここで言いたいのは、「新人賞の審査員や出版社は、テキトーな審査をしている!」という告発ではありません。

 『読む人によって、その人の好みや読書経験で、作品の評価は変わるもの』という、至極当然の事実です。


 中学生の頃に読んだ自己啓発本『夢をかなえるゾウ』(著作:水野敬也先生、飛鳥新社より2007年発刊)には、こんな一文があります。



「世の中に、どんだけぎょうさんの仕事がある思てんねん。しかも、その才能を判断する人、どんだけおる思てんねん。確かに、なかなか自分の才能は見出されんかもしれへん。けどな、それでも可能性を感じるところにどんどん応募したらええねん。そこでもし才能認められたら、人生なんてあっちゅう間に変わってまうで」



 作中の趣旨とは少し違うかもしれませんが、とにかく小説やラノベにおいても、作品の面白さや作者の才能を評価する人は、世の中にたくさん存在します。

 なのに、ひとつの新人賞で落選したからといって、それで『どこに出しても評価されない作品』になるとは限りません。


 超ヒット漫画『進撃の巨人』の作者である諌山創先生も、集英社に漫画原稿を持ち込んだ際に「ジャンプらしい作品を持ってこい」と言われたのは有名なエピソードです。

 もし諌山先生がそこで「ジャンプ編集部からああ言われたし、自分には漫画を描く才能がないんだ」と諦めていたら、進撃の巨人は誕生しなかったことでしょう。


 ですので、たった一人か二人の審査員に評価を下されても、それで『作品の絶対的な価値』は決まりません。

 ひとつの小説投稿サイトで人気が出ないからといって、どこに出しても誰に見せても評価されない、とは限りません。


 故に、私は新人賞へ投稿した応募作の再利用――もっと言うと『なるべく多くの人に作品を読んでもらい、評価してもらう』ことは推奨します。


 ただ勘違いして欲しくないのは、どこの新人賞に送っても一次や二次審査落ちで、具体的に「ココが短所です」と言われているのに「いや、それでもきっと、評価してくれる人がどこかにいるはず……!」と、何年も同じ作品に固執してしまうのは良くないと思います。というかダメです。

 そんなことをする暇があるなら、新しい作品を書いた方が良いと思います。



 新人賞について語ってきましたが、Web上で、小説投稿サイトで人気を集めてから書籍化するのも、デビューを目指す方にはオススメです。

 その点について、次は持論を展開していこうと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ