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はじめに

            『それでも諦めなかった男の話』

 東京に遅れて桜が咲いた、4月上旬の東北。


 机の上に置いていたスマホに、一通のメールが送られてきた。



『集英社ダッシュエックス文庫の○○と申します。このたびはご応募頂きまして、誠にありがとうございます。及川さんに投稿を頂いた……』



 それは、約8年ぶりに新人賞を受賞し、書籍を出版することができるという報せだった。



 その時の私は、もちろん嬉しかった。今日までの苦しい努力が、ひとつの結果に繋がったのだという気持ちもあった。


 10代の頃だったら、小踊りするほど歓喜して、たくさん入ってくる印税の使い道を夢想したり、挿絵を担当するイラストレーターは誰になるかなと予想したり、漫画化(コミカライズ)した時のカッコイイ見開きを想像したり、アニメ化した時の声優を勝手に妄想していたことだろう。


 ただその時の私は、握りめたスマホの画面を見つめつつ、微かに震えながら呟いた。




「あぁ……怖ぇなぁ……」




 またあの恐ろしく過酷な世界に、飛び込んで行かなければならない。


 そう思うと、浮かれてなどいられなかった。




***




 皆様はじめまして。

 知っている方は大変長らくご無沙汰しています、及川シノンと申します。

 小説家になろうに投稿していた作品は全て削除か非公開にしていましたが、お知らせがあったので舞い戻ってきました。


 それはタイトルにある通り、『10代でデビューしたものの即1巻打ち切りとなったラノベ作家が、20代になって再び新人賞を受賞するまでの実体験』を、エッセイとして掲載していこうと思ったからです。


 若くしてデビューした方の経験談や、あるいは書籍化後の立ち振る舞い、新人賞に投稿する際のアドバイス等は、なろうでも既に多くの方々が公開していることでしょう。



 ですが『打ち切り後に再デビューした人間』は、そう多くはないかと思います。



 なのでそういった視点から、初デビューするまでの軌跡や、打ち切り後にどうやって生きてきたのか、どんな気持ちや工夫で応募してきたのかを、書き綴っていく予定です。


 業界の裏話などはほとんどなく、自分語りや持論がメインになってしまいますが、それでも興味のある方はお付き合いくださると嬉しいです。



 まずは、再デビューが決定した今現在の話をする前に、どうしてラノベを書き始めたのか、私自身の簡単な経歴から語っていこうと思います。

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