表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

第3話 とある冒険者見習い3

 ーーギルドに設置されている依頼掲示板。その前に、じっと依頼表を眺めている少年がいた。


 ロンだ。


 ロンが聖国で受けることもできる依頼などたかが知れている。ただでさえGランク、見知らぬ外国での依頼だ。彼の狙いは近場で簡単にできるような薬草採取だ。


「よし!これにしよう!」


 ロンは選んだのは「カヨ草の採取 10本につき100メル」だ。かなりコスパが良さようだ。


 いざ受付に並ぼうとすると、


「ねぇ」


 聞き覚えのある声だ。振り返ると、服装は違うものの昨日の少女がいた。顔はあまり見えないが、昨日と似たような格好に同じ声だった。


「私の言った通りになりそうね。ロンさん」


「いやっ!そうだけどなんで僕の名前知ってんの⁉︎」


「ふふっ、首から下げてるじゃない、それ」


 ロンが思わず自分を見た。首には仮身分証がかかっている。


「あぁ、なるほど…。てか僕この依頼受けたいんだけど一緒に行かない?この草初めて見るし場所も詳しくないし」


「いいよ」


 それにしても、このギルドは随分と親切らしい。依頼表には丁寧に薬草のイラストが一枚一枚描かれており、依頼や薬草、魔物に関する本なども常備されている。


 さて、並んでいるうちに2人の番がやってきた。

少女の方が代表して依頼表を受付嬢に提出した。


「アンナさん、これお願いします」


「あら、シャルちゃん、気をつけていってらっしゃい。君はー、初めましてね。私はアンナよ。ここのギルドでFランクとGランクの受付をしているから。頑張ってね」


 どうやら受付嬢も優しいらしい。おまけに紺色の髪を三つ編みで肩に垂らした姿は絶世の美女だ。ロンは少し顔を赤くしながら「ハイっ頑張ります!」と言った。




 ロンは少女に薬草の取れる場所まで案内してもらった。ロンが入国したときの門とは違うところから出た。行きに通った森とはまるで違う、暖かな日差しが降り注ぐ草原と穏やかな雰囲気の森の境目で薬草の採取を開始した。


「このベカ草はカヨ草にそっくりだけど全くの別物なのよ」


 少女は手際良く白い手でカヨ草を根ごと取っていく。ロンはギルドが貸してくれた薬草籠を背中から下ろしながらふと彼女についてあまり知らないことに気がついた。


「そういえば君の名前って何?シャル…さん?」


「私はシャルロット。年齢は15ね。私のことは呼び捨てでいいわよ」


 ロンより1つだけ年下だ。と言ってももうすぐロンは17になるが。


ーー彼は、微かな違和感を感じていた。


「あの、シャル…ちゃんはなんでローブを被ってんの?この国じゃ髪の色は関係ないんでしょ?それに誘ってくれて嬉しかったけど本当に親切心だけで誘ったの?」


「ふふ…じゃあ、見る?」


 そう言ってシャルロットはフードをめくった。

現れたのは、日に当たって美しく輝く銀髪だった。ツヤツヤとしていてサラサラとしている。ロンは目を奪われた。衝撃だった。驚き、納得、疑問など様々な感情が同時に湧いてくる。


 そして彼は噂で聞いていた。聖国の女王は

ーー銀髪であるーーと。


 流石に銀髪の人物などそう簡単にはいないだろう。実際にロンは銀髪の人物を見たことがないし、噂も女王以外のものは銀鬼だの不死者だの信憑性が著しく低いものばかりだ。さらにここはロード地区ではなくウォート地区である。シャルロットの年齢からして女王ではないがーー。


「…えっと…君は…いや、君の家ってどんなとこ?もしかしてお城だったり…?」


「…ふふふっ!ロンさんてば変なこと言うのね。私は普通の一軒家よ。このフードをかぶっているにはこの周辺に外国の方が多いからよ。あと、あなたを誘ったのは本当に親切心よ、自分で言うのもなんだけど。疑い深いのねぇ、ロンさんって」


 シャルロットは自らの髪を触りながらクスクスと笑った。ロンは自分の勘違いに気がつき顔を赤くした。


「あっいやなんかごめんね!ちょっと気になちゃって…というかウォート地区で暮らして大変じゃないの?」


「ローブを被っていれば大丈夫だし、門番さんが奴隷商人の方達にちゃんと言い聞かせてくれるから。このローブは念の為くらいよ。ね、そろそろ十分かしらカヨ草」


 籠を見ると8割ほどまでカヨ草が入っていた。シャルロットは「帰ろっか」と言って歩き始めたのでロンは慌ててついて行った。


何故かシャルロットが年上に感じられた。


 2人はその後ギルドに戻り、報酬は等分した。別れ際、シャルロットは「私の髪のこと言わないでね、面倒ごとが起こりやすいから」と言った。


 ロンが宿に戻っても3人はいなかったので、ベッドに寝転がりながらシャルロットのことを考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ